2022 Fiscal Year Annual Research Report
災害支援研究:災害被害とその後の諸経験が適応状態に与える中長期的影響について
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20K03432
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 潤 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90332478)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 災害支援 / 災害被害 / 2018年胆振東部地震 / 新型コロナ / 感染対策ストレス / 中長期的影響 / ウクライナ心理学専門家 / 遠隔支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、新型コロナウイルスの影響と地震災害直後の心身影響調査結果を比較研究し、感染症と地震災害という異なる災害の心身に与える影響の特性の違いを明らかにし、大学紀要論文として成果をまとめた。 また、予期せぬロシアの軍事侵攻によって被害を受けたウクライナの心理学専門家からの要請に応え国際集団精神療法学会(IAGP:International Associaiton of Group Psychotherapy and Group Process)がウクライナ心理学専門家に対する支援グループやスーパバイズグループの立ち上げを計画し、主催者を公募した。本研究の一環として研究代表者は、これに応えチームを作って2週間に一回のズームによるウクライナ心理学専門家サポートグループを主催することとした。当初全世界で35のサポートグループが立ち上げられたが、2023年5月現在では12のグループへと減少。遠隔支援や軍事侵攻下にある人々への支援の継続の難しさが、示されている。この支援活動を、サイコドラマの観点から日本心理劇学会で報告。また、第22回IAGP(イタリア:ペスカーラ)で、研究交流を重ねた。 全ての研究期間を通じて、地震災害、コロナ感染症、ロシアによるウクライナ軍事侵攻、という多様な災害被害・緊急事態に、一方では中長期的な調査委研究、一方では直下のコロナ感染症という現在の被害とその影響あるいは遠隔支援という異なる災害実態と支援に積極的に関与し、関与することを通じて、災害特性、時間的変化などから、比較研究を行うことができた。 それらの成果は、北海道臨床心理士会、北海道教育学会、日本精神衛生学会、日本心理劇学会、日本集団精神療法学会、国際集団精神療法学会などで積極的に公表し、大学紀要論文にもまとめた。
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