2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of intensive psychoeducation program for tic disorders using internet
Project/Area Number |
20K03435
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金生 由紀子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00233916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江里口 陽介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10776115)
松田 なつみ 白百合女子大学, 人間総合学部, 講師 (20814685)
松村 舞子 (野中舞子) 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 講師 (30791941)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | チック / 心理教育 / インターネット / ランダム化比較試験 / 慢性チック症 |
Outline of Annual Research Achievements |
チックの適切な理解と対応を促して、エビデンスの高い治療パッケージである「チックのための包括的行動的介入(Comprehensive Behavioral Intervention for Tics: CBIT)」に将来的につながるように、また、日本のどこでも受けられるように、強力な心理教育のインターネット教材を開発して効果を検証するという研究全体の中で、2020年度は、教材の基本ストーリーの作成に力を注いだ。チック症の臨床経験が豊富な専門家の間で検討して、教材だけでCBITを完全に修得することは難しいもののその基本的な考え方を理解してチックと付き合いやすくすることはできると考え、①チック症の基礎理解と治療の構成、②機能分析について学ぶ、③ハビットリバーサルの基礎理解、④チック症との付き合いの4部構成とした。それぞれを複数の部分に分けて比較的短時間に集中して視聴できるようにしたり、一方的に視聴するだけではなくて自身のことを振り返って理解を深めるワークや確認テストを含めたりなどの工夫も重ねた。 この基本ストーリーを、トゥレット症の成人当事者及び家族に検討してもらってその意見を聞いて、追加・修正をするという過程を重ねた。 また、基本ストーリーに沿って教材が完成した後に視聴の前後で評価するため、チックなどの臨床症状、疾患特異的なQOL、自尊感情などに関する評価バッテリーを整備した。 以上の準備を整えつつ、東京大学大学院医学系研究科・医学部倫理委員会に申請を行って、承認を得た(2020360NI)。 そして、十分に練り上げた基本ストーリーを用いて視聴可能な教材の原案を作成する作業に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究計画の中心であった、心理教育教材の基本ストーリーを作成すること、評価バッテリーを整備すること、倫理委員会の承認を得ることが達成できた。トゥレット症当事者や家族との率直な意見交換を重ねて基本ストーリーを作成したことも有意義であった。 なお、当初は、基本ストーリーに沿って教材の原案の作成を進めるためにイラストなどの素材を準備することも考えていたが、専門業者に作業を委託することに変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、専門業者と綿密に相談を重ねて、夏までに、心理教育教材の原案の作成に至る。その原案を小グループで視聴してもらい、それに基づいて、教材の満足度、チック症や治療に関する知識について問うと共に、教材に関する自由な意見も尋ねる。 それらを踏まえて検討を加えて、秋までに、教材の第1版を完成させる。 第1版を1ヶ月程度かけて10名程度に視聴してもらって、前後の評価を行う。一定の効果が得られて使いやすさも確認されたら、RCTの実施に移る。 この過程と並行して、研究参加者のリクルートやRCTでの面接評価担当者の確保などの準備も進める。
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Causes of Carryover |
当初は、心理教育教材の素材を収集して、研究者のみで視聴可能な教材の原案を作成することを考えていたが、より効率的に作業を進めるとの観点から専門業者に委託することに変更した。そして、2020年度末近くなって、専門業者を選定して、相談を開始したために、教材の原案の作成は2021年度前半に行われることになり、予算を繰り越した。
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