2021 Fiscal Year Research-status Report
Psychological assessment for preschool children born at extremely low birthweight: Support for the risk of developmental disabilities.
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20K03436
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
篁 倫子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 名誉教授 (10280570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 恭子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (50316709)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心理アセスメント / 極低出生体重児 / 就学前健診 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は以下の通りである。 1)東京女子医大病院母子総合医療センターにて2015年4月~2016年3月に出生したか新生児時期を管理された極低出生体重児で、明らかな神経学的後障害を持たないに対して小児科発達外来に6歳時健診を行った。健診は身体測定および小児科神経学的診察、WISC-Ⅳ、保護者への結果説明と面談からなる。本研究の目的の一つである視覚認知検査、日本版DTVP-3は検査は完成しているものの、標準化調査が進まず、今年度も実施できなかった。 2)比較対照群への郵送調査を2021年4月に行った。内容は就学や家族に関する基本情報、学校生活について本人と保護者の満足度や心配事などを尋ねるアンケート、並びに特別な支援ニーズの把握(「ASIST学校適応スキルプロフィール」より)である。計画上では前年度調査対象である2012年4月2日~2013年4月1日生まれの小学3年生に13名、および2年生11名へ郵送された。調査の回収率は50%と十分ではなかったが、学習、生活、行動、感情について保護者がとらえる課題は把握された。 3)標準化用DTVP-3は実施協力者(テスター)向け研修ビデオを作成した。しかし、新型コロナ感染拡大防止にかかる規制はほぼ途切れることなかったため、実施協力者の研修および本調査の実施を諦めざるを得なかった。 4)2021年9月開催の日本心理臨床学会第40回大会(オンライン)においてハイリスク児フォロアップをテーマとした「リサーチコンサルテーション」を提供した。100名近くの参加者があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)新型コロナ感染拡大とその防止に関する行動規制がほぼ途切れることのなかった今年度は、以下の理由により、研究進捗が遅れたと考える。 ①就学前健診の心理アセスメントとして据えた視覚認知機能検査DTVP-3の標準化は今年度も遅れた。具体的には標準化調査、実施協力者(テスター)の確保、米国版DTVP-3の著者および出版社との最終段階の調整の遅れである。このため、本研究の重要な課題である新たな心理アセスメントが実施できなかった。この問題についてはアセスメント方法の変更を含めた研究計画の修正が必要と考える。 ②極低出生体重児の6歳健診の受診率は、健診予定の家庭との事前連絡などをして、小児科外来受診率の低下よりは明らかに保たれていたが、7割程度であった。対象者とその家族の感染や感染予防による受診控えが主な理由と考えられる。また、転居による追跡不能例も存在した。 2)研究代表者の退職により、一部事務処理に遅れが生た。
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Strategy for Future Research Activity |
1)令和4年度は最終年度であるが、これまでの進捗の遅れと研究目的の遂行のためには1年間の延長が必要である。すなわち令和5年度を実施とまとめの年度と考えて今年度の研究推進を計画する。 2)今年度は以下の内容で進める。 ①これまで通り6歳健診の実施。その際、視覚認知領域のアセスメントにWAVES(奥村ら、2014)を採用する。本検査は視知覚、目と手の協応、眼球運動を測定するものであり、DTVPの測定内容と重なる点は多い。DTVPについても7月より実施可能。 ②昨年度6歳時健診で視覚機能検査を受けていない小学1年生については、夏期休暇中にDTVP-3およびWAVESを実施する。 ③郵送調査は2021年4月および2022年4月に実施した調査結果も合わせて、令和4年11月の日本LD学会、ハイリスク児フォロアップ研究会にて発表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大とその防止に関する行動規制により、研究の一部が実施できなかった。具体的には、①就学前健診の心理アセスメントとして据えた視覚認知機能検査DTVP-3の標準化の遅れ(実施協力者の確保、実施研修の遅れ、対面による検査実施の遅れ)により、追加された新たな心理アセスメントが実施できなかった。②研究対象児(極低出生体重児)とその家族の感染や感染予防による受診控えがあり、十分な検査資料が集められなかった。 以上より、研究目的の遂行のためには少なくとも1年の延長が必要と考える。次年度令和4年度および5年度にアセスメント方法の変更を加えた健診の実施、研究協力者(5名程度)による検査実施と集計・分析作業、研究のまとめ、内外の学術集会での成果発表を行う。そのため、主に謝金と旅費に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)