2021 Fiscal Year Research-status Report
応用行動分析学によるe-Learning を用いた認知症者に対する介護職員指導
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20K03451
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
小林 和彦 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻, 教授 (60310190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻下 守弘 奈良学園大学, 保健医療学部, 教授 (80280197)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 介護職員指導 / 認知症高齢者 / 高齢者施設 / 応用行動分析 / 介護職員の職業意識の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 教材の作成およびソフトへの入力:アニメーション機能とナレーションを活用した解説スライドを、パワーポイントで作成した。なお、実際場面における解説部分は模擬動画を作成し、必要に応じて挿入した。また、これら指導教材を、パソコン上で作動するe-Learning教材作成用ソフトに入力するところまではほぼ完了した。 2.研究対象の募集:病院・施設等の掲示板および研究分担者に依頼して、3か所の高齢者施設に対し、研究協力依頼を行った。被介助者として、衣服の着脱に介助を要する近隣の高齢者施設入所者6人(2人×3施設)と、彼らを介助している介助者54名(18名×3施設)を募集する予定であったが、どの高齢者施設においてもコロナ感染症対策を理由に外部者の訪問が制限されているため、研究対象介護職員および入所中の認知症高齢者との研究事由での面談は了承されるに至らなかった。 3.研究対象者への評価および情報収集書式の作成:①対象入所者用ミニメンタルステート検査(検査シート)、②対象介助者用基礎情報記入用紙、③介護職としての能力・適正に関する自己評価尺度、④対象介助者用事前評価日程調整表、⑤対象介助者用着脱介助に関する説明書、⑥対象介助者用適切介助査定表、⑦対象介助者用受け入れおよび満足度等に関するアンケート調査票、⑧対象施設募集用調査・研究協力への依頼書式、⑨施設管理運営責任者、介護療養部門管理責任者、介護職員への研究協力依頼書式、⑩施設管理運営責任者、介護療養部門管理責任者への同意書・同意撤回書、⑪調査・研究対象入所者および家族への調査・研究依頼書、⑫調査・研究対象入所者および家族への同意書・同意撤回書、⑭調査・研究対象介護関係職員への同意書・同意撤回書。 4.倫理審査関係書式の作成および提出:①研究倫理審査申請書、⑲研究倫理審査発表用原稿
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究課題遂行が遅れている理由については、コロナ感染症の流行による緊急事態宣言、および、蔓延防止防止条例の施行に拠るところが大きい。いかにその影響について列挙する。 1.研究対象施設および研究対象者の斡旋を依頼していた研究分担者の所在地が遠方であり他県に跨るため、2021年度においては分担者の所属施設を訪問することが1度しかできなかった。2.上記理由により感染防止対策上、研究目的での施設訪問が許可されなかった。3.感染急拡大に伴う施設職員の退職に等により、何れの高齢者施設においても人手不足の状況にあり、研究協力等の人員確保は困難であること。4.e-Learning教材に使用する動画作成等においても、感染の可能性により協力が得られなかったこと。5.大学における倫理委員会の延期や、学内における教員同士のコミュニケーションも支障を来すなど、研究課題遂行に多くの制限および制約が生じたこと。 以上述べたようなことにより、2021年度においてはほぼコミュニケーションを伴う研究活動を行う機会を得ることができない状況であった。なお、現在においても、その状況は続いているものと認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題継続の可能性としては、以下に示す3つの選択肢に絞られるものと思われる。 1.研究課題終了年度を1年延長させることを見込んで、コロナ感染症が縮小もしくは収束に向かい、高齢者施設側からの研究協力許可が下りるのを待機する。 2.研究対象施設および対象者の募集地域と募集件数を拡大することで、研究依頼同意の可能性を増やす。 3.研究課題の内容、もしくは研究対象者等において、若干の変更を考慮する。例えば、対象介護職員の協力のみで研究を終結させ、対象入所者への協力依頼は中止する。 いずれにしても、現在のコロナ感染状況を鑑みると、何らかの研究に関する条件の変更が必要になる可能性を余儀なくされると考えられる。したがって、今後における研究の推進方策としては、もうしばらく(1か月程度)様子を見て、「3」で示した「研究内容と研究対象者の変更」という路線になるものと考えられる。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況、及び、翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画について列挙する。1.旅費:コロナ感染症拡大に伴い、研究分担者との打ち合わせにかかわる旅費、および研究対象施設(対象者)募集並びに面談のための旅費、等の制限により次年度助成金が生じた。なお、次年度においては翌年度分として請求した助成金と合わせ、助成期間を1年繰り下げて旅費の支出を行う予定である。2.人件費・謝金:上記事由により、対象施設および対象者への事前評価に伴う謝金の支出がなかったことによる。なお、次年度においては翌年度分として請求した助成金と合わせ、助成期間を1年繰り下げて人件費および謝金の支出を行う予定である。
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