応用行動分析学によるe-Learning を用いた認知症者に対する介護職員指導

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K03451
• Research Institution: 湘南医療大学
• Principal Investigator: 小林 和彦 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻, 教授 (60310190)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 辻下 守弘 奈良学園大学, 保健医療学部, 教授 (80280197)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 介護職員指導 / 認知症高齢者 / 行動法則 / 介助技能

Outline of Annual Research Achievements

以下、研究実績について、その概要を報告する。１．A看護地域密着型小規模多機能施設の管理運営者に対して研究概要の説明、および研究協力依頼内容に関する説明を対面にて行い、その後、同意を得た。２．同施設に勤務する介護関係者全員に対し、研究に関する概要説明および研究協力依頼を対面にて行い、24名の介護および看護関係者から同意を得た。その後、同意が得られた研究対象職員に対し、研究および協力依頼内容、研究対象者撤回に関する手続き等に関する説明会を行い、研究内容および協力依頼内容の周知を行った。３．対象介護者の属性に関するオンラインアンケート調査を行い、研究対象介護職員24名全員が終了した。アンケート内容は、性別・年齢・保有資格・介護職員としての経験年数・介護関係研修会もしくは講習会等への参加歴等である。４．事前評価の実施：１）脱衣介助に関する評価を実施し、すべての研究対象介助者（24名）について終了した。評価方法は、調査・研究代表者もしくは、共同調査・研究者のいずれかが模擬認知症高齢者者となり、全対象介助者に指定した脱衣介助を行ってもらい、ビデオ記録する。その後、あらかじめ定めておいた評価尺度に基づき、個別的な査定を実施する。２）介入手段としてのe-lerningコンテンツの効果を調べるため、コンテンツ内容に沿った容易な選択問題10問を、「行動の法則に基づく介助法に関するクイズ」としてオンライン上に公開し、現在、データ収集中である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

全研究期間のうち、2021年度および2022年度においては新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行下にあり、依頼にあたったほぼすべての高齢者施設において研究の同意が得られないか、同意の得られた施設においても契約履行不可もしくは棚上げとなってしまった経緯がある。2022年度末に至り感染状況下火となったため、新規研究施設開拓後契約に至り、ようやく研究スタートとなった状況である。
したがって、本格的な研究開始が研究計画作成時の予定より1年半～2年程度の大幅な遅れとなってしまった。さらに、コロナ渦の長期化により、各高齢者施設において職員の大量離職による人手不足が進行し、研究計画書通りの研究実施および遂行が極めて困難な状況に至った経緯がある。そして、その状況は2022年年度後半においてもなお、研究状況として逆風となっていた。

Strategy for Future Research Activity

現在、コロナ新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の落ち着きに伴い、契約施設に立ち入ることが許可されたものの、当初の計画である施設利用者との対面は不許可のままであった。したがって、2022年度後半を境に研究計画の一部変更を余儀なくされることなった。すなわち、当初の研究計画においては、施設利用中の認知症高齢者に対しての脱衣介助を直接評価する予定であったものを、施設利用者以外の模擬任意症高齢者を設定してデータ収集を行わざるを得なくなり、そのように研究計画の一部変更を行うに至った。
その後、新たな研究計画の遂行に支障はなくなったものの、研究計画を2023年度までの延長を余儀なくされた。
したがって、次年度における研究推進方策としては、データ収集のための訪問回数を可能な限り前倒しして件数を増やし、研究計画の遅れを取り戻してゆく所存である。

Causes of Carryover

１．データ収集のための出張費：28,400円（往復）×15回＝426,000円　２．研究対象施設への謝礼：50000円　３．研究対象介護職員への謝礼：16000円×24名＝384,000円
計　860,000円