2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of depressive symptoms in persons with communication disorders and development of an evaluation system
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20K03453
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
原山 秋 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (40847886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 真哉 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00296188)
永見 慎輔 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60744042)
種村 純 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90289207)
小浜 尚也 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10881865)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 失語症 / コミュニケーション / 抑うつ症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中後うつ(post-stroke depression:PSD)は、患者の日常生活動作(ADL)や認知機能を障害し生活の質に大きな影響を与えるため、脳卒中治療ガイドラインにおいてもその有無と程度を評価することが勧められている。しかし、脳卒中後のコミュニケーション障害者の抑うつ症状は、診断・評価の際の言語的な応答の困難さなどから、実際には把握されないことも多く、潜在的な抑うつ状態が見過ごされている可能性は高い。本研究では失語症を中心としたコミュニケーション障害者における、抑うつ症状の実態とその関連要因を明らかにすることを目的とする。 昨年度より当初予定していた光トポグラフィでの脳血流量の評価がCOVID-19による行動制限困難により、代表研究者が直接研究協力機関に赴くことが困難となったため、脳卒中評価スケール(NIHSS)や画像診断(病巣)などに代替した。さらに失語症者における抑うつ症状の有症率やその特徴について解明するとともに、ICFに基づき失語症者の言語機能や他の身体構造・心身機能障害、活動制限、参加制約、個人因子、環境因子の側面と抑うつ症状の関連についても明らかにすることとした。 予備的研究として、回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳卒中患者を対象にデータ収集を開始しており、令和4年度も引き続き対象者に対して、コミュニケーション能力、NIHSS、ADL等を調査し、抑うつ症状との関連を検討する。さらに抑うつ症状は脳機能やコミュニケーション能力だけではなく、退院後に社会との関わりを通して参加や環境の影響も強く受けると予想されるため、今後は地域在住の失語症患者を対象にデータを収集を行い、検討を重ねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在はデータ収集を開始することができているが、研究開始年度当初からCOVID-19感染拡大による緊急事態宣言の発令などのため、フィールドとして想定していた患者会の開催中止や研究代表者が所属する施設と研究協力施設間の往来が困難な状況となり、データ収集に大きな影響を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に引き続きデータ収集を行い、令和4年度中に中間解析を行う予定である。コミュニケーション障害、抑うつ症状、脳機能の各指標の関連だけではなく、抑うつ症状とコミュニケーション領域および非コミュニケーション領域の機能障害、活動制限、参加制約、個人因子、環境因子との関連を広く探索する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、脳血流を評価することが困難であったため、初年度に光トポグラフィを購入しなかったことと、新型コロナウイルス感染症の影響により初年度に引き続き令和3年度も旅費を使用しなかったためである。 令和4年度は、安全にデータ収集を行うための通信費、ICT設備等に使用することと、研究ミーティングや学会参加のために旅費を使用していく予定である。
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