2021 Fiscal Year Research-status Report
悩みや希死念慮がある大学生の特徴、経年変化と関連要因に関する横断・縦断・質的研究
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20K03469
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| Research Institution | Kitasato University |
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Principal Investigator |
山田 裕子 北里大学, 健康管理センター, 准教授 (80626812)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 達美 北里大学, 健康管理センター, 教授 (50191052)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | こころの健康調査 / アウトリーチ活動 / 精神健康 / ハイリスク / 学生相談 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2020~2023年度の年度毎に、学生相談カウンセラーが『こころの健康調査』（以下、調査）を実施し、その結果に基づき精神健康面でリスクが高いと思われる学生に対して呼出面接を行う。そこで「悩み」「死の反芻思考」「希死念慮」の有無を確認し、それらの問題を有する大学生の特徴、大学生の悩みや希死念慮の経年推移と関連要因、希死念慮を経験した大学生の時間的変化と関連要因を明らかにすることを目的としている。
毎年度初めのオリエンテーション・ガイダンス時期に調査を実施し、精神健康スクリーニング尺度のK10（Kessler 10）で40点満点中15点以上に該当した学生（以下、ハイリスク学生）に対して、前期期間中にアウトリーチを完了する計画であった。しかし、2020年度は、COVID-19の感染拡大により、その時期や方法についての変更を余儀なくされた。調査はオンラインに、ハイリスク学生の呼出面談は、コロナ禍での学生の入構禁止に伴い、電話での状況確認に変更した。遠隔における対応の限界を考慮して、「死の反芻思考」と「希死念慮」についての確認は控えたため、調査後の呼出面談で収集を予定していたデータの一部が得られなかった。
2021年度以降は、COVID-19の感染対策を施しながら、新年度のオリエンテーション・ガイダンスの時期に対面とオンラインを併用した調査を実施し、その後、対面と遠隔の手段を併用してアウトリーチ活動を実施することができた。まだ暫定的な結果ではあるが、2021年度のハイリスク学生数は567名で、呼出面談に応じた学生は340名であった。そのうちの86名が「死の反芻思考」、35名が「希死念慮」を有し、「死の反芻思考」と「希死念慮」の両方ともあると回答した学生は32名であった。また、ひどく困ったことや辛いことがあると回答した学生は104名であった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を開始した2020年度は、COVID-19の感染拡大に伴い、研究計画通りに進めることができなかった。当初、4月の新年度オリエンテーション・ガイダンスの中で全学部生に対して調査を実施する予定であったが、新年度オリエンテーション・ガイダンスは5月半ばに延期となり、かつ、オンラインでの配信や資料の郵送による実施にその方法が変更された。そのため、調査もオンライン形式に変更することを余儀なくされた。また、前期期間中、学部生はキャンパスへの入構を原則禁止されたことに伴い、調査の結果から精神健康面においてハイリスクの可能性があると示唆された学生に対して呼出面談を行うことができなくなり、代わりに電話で学生の状況を確認する方法に変更した。本研究で分析対象としている「死の反芻思考」や「希死念慮」について電話で尋ねることは、危機対応ができない状況のため適切ではないと判断したことから、本研究に必要なデータを収集することができなかった。
2021年度については、調査方法は、2020年度に引き続き、Web調査を用いて行い、その後のアウトリーチ活動は、対面と遠隔（Zoomもしくは電話）を併用して行うことができた。このCOVID-19の状況にありながら、対応方法を様々改善したため、ハイリスク学生との面談をきちんと行うことができ、また、対面での呼出面談を実施した学生から、本研究に必要なデータを収集することもできた。なお、2021年度に収集した主なデータの結果の概要は「研究実績の概要」に記した。
2022年度についても、同様にデータを収集することはできていることから、現時点では2020年度の約1年分が遅れている状況となっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染拡大下において、2020年度は必要なデータを収集することができなかったため、データ収集に1年間の遅れが生じたが、2021年度、2022年度は、4月の新年度オリエンテーション・ガイダンス期間中に滞りなく調査を実施することができている。
アウトリーチ活動については、2021年度は、COVID-19の状況にありながら、対応方法を様々改善したため、ハイリスク学生との面談をきちんと行うことができた。一方で、感染対策を行いながら、普段の相談活動と並行して実践したため、その対応には想像以上に時間を要してしまい、当初予定していた前期期間中にアウトリーチを完了することができず、後期まで延長して行った。そのため、データの整理作業が遅れている状況にある。
2022年度については、ハイリスク学生が600名以上確認されており、例年よりも多い数値となっている。4月後半から、K10の高得点者から順にアウトリーチ活動を開始しているが、昨年度に引き続き、COVID-19の感染対策を行いながら学生の呼出面談を実施しているため、アウトリーチ活動の終了時期が後期に差し掛かることも想定されている。当初の計画では、前期中には呼出面談を終了し、後期にデータの整理・横断的なデータの分析を行う予定であったが、9月いっぱいはデータ収集に時間を要することも想定して取り組む必要があると考えている。その間、アウトリーチ活動と並行して、2021年度のデータの整理を行う予定である。
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| Causes of Carryover |
人件費については、学生との呼出面談に対応する要員を4月から7月の期間で雇い入れる予定であったが、COVID-19の影響により、職場で分散勤務を余儀なくされており、外から新たに臨時雇用の職員を招き入れる十分なスペースを確保することが難しく、2020年度に引き続き、2021年度も支出を予定していた使用額が未使用となった。また、参加を予定していた学会が全てオンラインでの開催となったため、旅費として予定していた金額についても、使用しない状況となった。COVID-19の感染対策を要する状況が続く中では、2022年度も限られたスペースの中に外から人を雇い入れることは難しく、その分作業に遅れが生じているが、これ以上の対応は困難な状況にある。今回次年度使用額となった分を2022年度中に使用することは、現段階では難しいと予想されるため、人件費に関しては、2023年度以降の使用に組み換える計画である。また、旅費については、徐々に対面で開催される学会も出てきていることから、今後の学会や研究会の参加費用として使用していく予定である。
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Research Products
(4 results)
