2023 Fiscal Year Research-status Report
悩みや希死念慮がある大学生の特徴、経年変化と関連要因に関する横断・縦断・質的研究
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20K03469
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山田 裕子 北里大学, 健康管理センター, 准教授 (80626812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 達美 北里大学, 健康管理センター, 教授 (50191052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大学生 / 精神健康 / ハイリスク / 希死念慮 / コロナ前後の比較 / 後方視研究 / 量的・質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第一に学生の悩みや希死念慮の発生、維持、変化に関連する要因を解明すること、第二に希死念慮を経験した学生の希死念慮の縦断的変化と学生生活との関連を明らかにすることである。基本的に前方視研究で計画していたが、2020年度のCOVID-19感染拡大により縦断研究初年度のデータ収集が思うようにできなかったことに加えて、調査方法等様々な変更を余儀なくされた。そこで計画を全体的に見直して後方視研究に変更し、「希死念慮がある学生の特徴を明らかにする」という本研究の目的の本質を軸に以下の目的・内容に修正した。【研究1】では、北里大学健康管理センター学生相談室が全学生対象に行っている「こころの健康に関する調査」をきっかけに来談した学生と自主的に相談目的で来談した学生の申込票回答データを研究対象とする。そして、対象者の背景、生活習慣、精神健康度、学生生活上の困り事等について、「希死念慮がある学生群」と「希死念慮がない学生群」を全体及び年度毎に比較し、2群間の差異を検討する。【研究2】では、「希死念慮がある学生群」について、申込票をもとに行う初回面談記録の中から自殺リスクアセスメントに関する記述を抽出し質的分析を行うことで、希死念慮の発生要因と行動化に発展させない保護要因、更に、希死念慮がある学生の状態像を明らかにすることを目指す。最終的に、これらの量的質的研究を総合的に考察する。 当初は2020年度から2023年度の4年間でデータを収集する予定であったが、後方視に切り替えたことで、2017年度から2023年度の間に収集したデータを分析することに変更した。それによりCOVID-19前後の比較も可能となる。修正した研究計画は北里大学医学部・病院倫理委員会の承認を得た。2023年度でデータ収集は終了しており、オプトアウト用資料を学生相談室と倫理委員会ホームページに掲出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を開始した2020年度は、COVID-19感染拡大に伴い研究計画通りに進めることができなかった。当初は、4月の新年度ガイダンスの中で全学部生に調査を実施する予定であったが、2020年度のガイダンスは5月半ばに延期となり、かつ、その方法はオンラインでの配信や資料の郵送という形に変更された。そのため、調査もオンライン形式に変更せざるを得なかった。また、学部生は2020年度前期中のキャンパスへの入構が原則禁止されたため、調査の結果から精神健康面においてハイリスクの可能性があると判断された学生に対して呼出面談を行うことができなくなった。代替手段として電話で学生の状況確認を行ったが、本研究で分析対象としている「死の思考」「希死念慮」については、危機対応ができない状況で学生に尋ねることは適切ではないという臨床上の判断により、本研究に必要なデータを収集することができなかった。 2021年度から2023年度については、2020年度に開発したWeb調査を引き続き活用し、その後の呼出面談は感染対策を講じながら対面と遠隔(Zoomもしくは電話)を併用して実施することができた。しかしながら、初年度の2020年度にデータ収集ができなかったことから、予定期間内に前方視的に縦断研究を行うことは困難になった。そこで、研究計画を見直して後方視的研究に変更し、オプトアウト形式による情報開示を行うことでコロナ以前の2017年度から2019年度のデータを用いることにより、本研究の目的の達成を目指した。修正した研究計画については、北里大学医学部・病院倫理委員会の承認を得てオプトアウト形式による情報の開示を行なっている。2023年度までのデータ収集は終了したが、収集したデータを集計・整理する作業が遅れている。今年度はデータの整理と分析作業を進め、結果の公表に繋げていく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を後方視研究に切り替えたことで、データ収集は当初の予定通りの期間で終了することができた。ただし、2021年度から2023年度は感染対策を講じながら呼出面談を行ったため、全ての年度においてデータ収集が後期の9月下旬までかかってしまい、データを集計して整理する作業を積み残している状況にある。今年度も7月までは学生相談業務が繁忙期のため、比較的時間がとりやすい8月に集中してデータの集計と整理の作業を行う必要がある。科研費の研究期間は今年度で終了するが、データ収集は完了しているため、今年度でデータの整理と分析を行い、2025年度に結果の公表を行えるように進めていく所存である。
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Causes of Carryover |
人件費については、2000年度から2023年度にハイリスク学生の呼出面談に対応するカウンセラーをアウトリーチ要員(臨時雇用)として4月から7月の期間で雇い入れる予定であった。しかし、2020年度から2022年度はコロナ禍により、外から臨時雇用の職員を招き入れることが難しく、2020年度から2022年度の3年間は人件費での支出を予定していた使用額が未使用となった。また、参加を予定していた学会も2022年度も引き続きオンライン開催であったことから、学会参加のための旅費として予定していた金額についても、使用しなかった。2023年度はアウトリーチ要員を雇用することができたため、当初計画していた人件費を使用した。また、2024年度は、アメリカのジョージア州アトランタで開催されるACHA(American College Health Association)の年次大会に一部の成果発表と情報収集目的で参加を予定しており、その参加費や旅費として使用する予定である。また、研究に使用しているパソコンが耐用年数を超えているため、分析に必要なパソコン購入費用として使用する予定である。そのほか、研究成果をまとめて発信するための印刷費用等に使用する予定である。
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