2020 Fiscal Year Research-status Report
不安障害に対するVRを用いたマインドフルネスに基づく介入の効果および費用対効果
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20K03470
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
二宮 朗 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30464845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マインドフルネス認知療法 / 不安障害 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
virtual reality(VR)による曝露療法を取り入れたマインドフルネス認知療法プログラムの開発 今回の研究で用いるのはマインドフルネス認知療法をベースとしたプログラムであるが、これはうつ病の再発予防を念頭に作成された内容となっている。このプログラムを不安症(広場恐怖症、パニック症や社交不安症)に合わせた、内容の修正を行なった。 具体的には不安症状の軽減のためには不安の対象に曝露していくことが重要であることがわかっているが、従来のマインドフルネスのプログラムではこの曝露に関する理論や直接的な行動を促すプログラムは存在していなかった。そこで上記の不安症患者に不安を惹起しやすいと考えられる状況を再現するVRコンテンツを用いることとした。具体的には広場恐怖症やパニック症の患者に対しては患者本人が混んでいる電車に乗っている状況、社交不安症の患者に対しては、会議の場面で本人が発表している状況を再現したVRコンテンツとなる。ただ、当然のことながら、これらのVRコンテンツを準備もなく用いることは患者にとって抵抗があり、場合によっては症状の悪化を招く懸念がある。そのため、疾患に対する教育などを実施し、VRコンテンツを導入する意義と重要性を十分に理解してもらい、さらにマインドフルネス瞑想への取り組みで注意のコントロールが可能となってきていることが想定されるプログラムの後半から導入することとした。 また、新型コロナウイルス感染症の完全な収束が見込めない状況下において、どのように感染予防に努めながら、研究を実施するかについて検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行下において、以下の実施が困難であった。 ・研究計画、プログラムの内容について海外の専門家と意見を交わすために、海外への学会などへの参加を計画していたが、海外渡航が現実的に不可能であった。 ・令和3年度に入ってすぐにpilot studyを実施するために、令和2年度内から被験者のリクルートを行う予定であった。しかし、対面でのプログラムの実施を前提にした研究計画であったため、感染予防の観点などから研究実施に対する懸念が強く、計画実施の時期を遅らせることや対面ではなくオンラインを用いて実施することも検討していたため、リクルートを行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度中に単群前後比較のデザインでpilot studyを行い、プログラムの実施可能性(組入れ率、脱落率、参加率)とその効果について検証を行う。さらにpilot studyを経て、明らかになった問題点を抽出した後で、必要に応じたプログラムの改訂を行い、令和4年度のRCTの実施へと繋げていく。 令和3年前半中に被験者のリクルートを実施し、後半に入ってからpilot studyを実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、研究実施の計画に遅れが出たため、人の雇用を行わなかったり、解析ソフトなどの購入を遅らせたりした。遅れを挽回し、従来の計画予定に戻していくためにも、人員の雇用などを元々の計画よりも増やし、研究を実施していく予定である。
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