2023 Fiscal Year Annual Research Report
不安障害に対するVRを用いたマインドフルネスに基づく介入の効果および費用対効果
Project/Area Number |
20K03470
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
二宮 朗 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30464845)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | マインドフルネス認知療法 / VR / 無作為化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にはマインドフルネス認知療法(MBCT)プログラムとvirtual reality(VR)コンテンツを用いて実施した探索的な無作為化比較試験(RCT)の対象者14名のデータについて解析を行った。 本研究ではVRによる曝露療法を取り入れたMBCTプログラムの開発を行い、実施可能性や効果の検証を行なった。MBCTと曝露療法を組み合わせたプログラムは存在せず、著者が知る限り、世界初の試みとなる。グループ療法であり効率的な介入のMBCTと、利便性が高く、新たな人手を要さないVRの組み合わせのために、実用性の高いプログラムとして活用が期待された。 プログラムの開発:うつ病の再発予防のために作成されたMBCTのプログラムを不安症(広場恐怖症、パニック症や社交不安症)に合わせて修正をし、不安対象への曝露のステップとしてVRコンテンツを作成した。 Pilot study:単群前後比較試験のデザインで実施し、プログラムおよびVRコンテンツの検証を行なった。実施可能性は、従来のプログラムと比べ、大きな問題がないことを示された(組み入れ率100%(4/4名)、脱落率 25%(1/4名)、研究参加率81.3%(26/32))。同時にプログラムやVRコンテンツの改良を行った。 具体的には①VRによる曝露の導入時期の変更②VRコンテンツの変更(グラフィックから実写)を行なった。 探索的RCT:参加基準を満たした14名を介入群7名、対照群7名に振り分け、両群に全8回のMBCTプログラムを実施し、介入群にのみ全3回のVRコンテンツによる曝露を実施した。対象者数が少ないものの、その範囲で実施可能性に問題ないことが示された(組み入れ率100%(14/14名)、脱落率 0%(0/14名)、研究参加率88.4%(99/112))。一方で不安を評価する尺度で両群間に明らかな効果の差は認められなかった。
|