2020 Fiscal Year Research-status Report
A multilevel study of cultural effects on well-being in older people
Project/Area Number |
20K03475
|
Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
廣川 空美 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (50324299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40250196)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 文化的価値 / 高齢者 / 幸福感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、Global Aging Dataに公開されているHRS(USA)、SHARE(European countries)、JSTAR(日本)などのデータセットをダウンロードし、各データセットの整理を進め、性と年齢による度数分布を作成した。また、国別に性と年齢ごとの幸福感の尺度得点を算出した。さらに、Harmonizedデータで抑うつ感尺度(CES-D)を測定している国(アイルランドや日本)についても同様にデータセットを収集しているところである。 SHAREデータによる27のヨーロッパの国別にみた、性と年齢による幸福感尺度の傾向から、年齢が高齢になるほど幸福感の得点が減少することが示されている。しかし、90歳代以上の高齢になっても、幸福感が下がらず、逆に上昇する国もあることが示された(e.g., デンマーク、スイス、ポルトガルなど)。日本のJSTARデータでは4回の調査(W1~W4)によって傾向が異なるが、90歳代以上の高齢でも幸福感が下がらずに上昇する調査(特にW4)も示されている。 2021年度には、どのような文化的価値観を持つ国において、加齢と幸福感の関連に特異的な傾向を示すのかを分析する予定である。また、Harmonizedデータにおいて、加齢と抑うつ感尺度との関連についても解析を進めることとしている。 2020年度において、個人の価値観として「不確実性の回避」を測定できる尺度の開発に着手した。今後はデータを収集し、尺度の信頼性・妥当性の検討を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたように、公開されているデータの収集を行うことができた。また、個人の価値観として「不確実性の回避」尺度の開発に着手することができた。 一方、データが国別に異なることもあり、データの整理に予定よりも時間がかかっており、データセットを完成することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、まだデータの整理ができていない国について、引き続きデータ整理を行い、国別に性と年齢による幸福感の関連について傾向を分析する。また、加齢と幸福感や抑うつ感との関連に特異的な傾向を示す要因について詳しく分析を行う予定である。特に、文化的価値感による違いについて検討する。 「不確実性の回避」尺度については、データを収集し、妥当性・信頼性の検討を行う予定である。日本の高齢者を対象に、高齢者の心身の健康と幸福感との関連において、文化的価値観が及ぼす影響について、調査を実施し、個人の文化的価値観や地域の傾向についても分析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
公開されているデータを収集し、整理するためにアルバイト雇用をしていたが、計画通りに対面での打ち合わせなどを行うことができず、感染対策のために大学での作業ができなかった。そのため、次年度にアルバイト料を繰り越し、適切に作業を進めていきたいと考えている。
|