2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of psycho-social support program for patients and caregivers of myotonic dystrophy
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20K03476
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
遠藤 麻貴子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 臨床研究推進部, 心理療法士 (00833071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 円 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 脳神経内科診療部, 研究関係者 (60433025)
渡辺 範雄 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20464563)
菅原 典夫 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80431435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋強直性ジストロフィー / 心理社会的支援 / 認知行動療法 / 作業療法 / 介護負担感 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋強直性ジストロフィー(DM1)患者と介護者に対する心理社会的支援プログラムの開発研究の開始年度として、介入効果の評価項目の決定と支援プログラム内容の作成を主な活動として研究を進めた。新型コロナウィルス感染症の状況から、当初予定していた出張を伴う研究会議の実施はせず、Zoomを利用したオンライン会議を毎月1,2回の頻度で行った。 評価項目の選定においては、DM1の症状に関連するADL、QOL、疲労感、睡眠、認知機能、介護者の介護負担感等の評価尺度より選定した。また、活動量測定のための活動量計を購入した。認知機能の程度に対して、適応能力の程度を測る尺度(Vineland-II)の選定を今回新たに検討した。評価担当者が当尺度の評価研修に参加し、研究適用の可能性を前向きに検討している。DM1という希少疾患を他疾患と広く比較できるよう、疾患特有の評価尺度よりも多疾患に汎用性のある国際的な評価尺度を採用し、被検者の負担軽減目的で、項目数の少ない尺度を選定するよう心掛けた。 心理社会的支援プログラムの内容については、患者と介護者が使用するワークブックの内容具体案を一通り執筆した。心理社会的セルフケアの重要性に関する心理教育と、認知行動療法および作業療法のアプローチを基盤とした内容としている。プログラムは、活動量、疲労感、睡眠リズム、痛み、感情のセルフケア/セルフコントロールの方法を学びQOLを高める目的を持ったものとし、具体的内容としては、医学的セルフケアの大切さ、身体疾患が心と社会活動に及ぼす影響、プログラムで取り組む課題の設定、ストレス対処法、症状別の選択モジュール、介護者との関係改善、介護者のセルフケア等のワークを含んだプログラムとした。現段階までの進捗は2021年5月の第62回日本神経学会学術大会にて発表予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通り評価項目を決定し、支援プログラム案の具体的内容を患者が利用するワークブックの形式でまとめることができた。支援プログラム案については、この後に予定している試験実施で使用するための最終フォームを本年度中に完成させる予定であったが、未だ完了していない。2021年度初旬に支援プログラム案の最終版を確定し、2,3名の患者協力者を対象として試験施行を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に支援プログラム案の試験施行を行い、評価項目の結果と患者協力者および介入実施者の感想や体験を参考にして評価項目の再検討と支援プログラム案の改良を行う。これらの改良を反映した支援プログラムをもとに、2022年度初旬より支援プログラムのパイロット研究を実施できるよう倫理申請を含めた事前準備を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大予防のため、旅費の使用が発生しなかった(670千円)。 支援プログラム案の試験実施用最終版確定が遅延したため、プログラムの印刷費が発生しなかった。(3万円) 旅費については本年度の発生も限定的であることが予想される。研究計画当初、支援プログラムの実施は対面介入を想定していたが、オンライン介入を基本とした内容への変更を検討している。旅費に変わって、オンライン介入実施のための物品整備が必要となることが予想される。
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