2022 Fiscal Year Research-status Report
対象への接近傾向と回避傾向を二次元で評価する心理生理学的方法の開発
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20K03480
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松田 いづみ 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (80356162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入戸野 宏 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (20304371)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 接近-回避 / 潜在連合テスト / 誤反応率 |
Outline of Annual Research Achievements |
刺激に対して繰り返しボタン押しをさせると,その刺激がより好きだと評価され,ボタン押しを抑制させるとその刺激がより好きではないと評価される。このようなGo/NoGo課題が潜在的な接近-回避傾向にどのような影響を与えるのかを,マネキン課題により調べた。 実験は236人に対してオンラインで実施した。異なるマグカップの写真2枚のうち,一方に対して繰り返しボタン押しをさせ,もう一方に対しては繰り返しボタン押しを抑制させた。その後,半数の参加者は,ボタン押しをしたマグカップと新規のマグカップで構成されたマネキン課題を行い,残りの参加者は,ボタン押しを抑制したマグカップと新規のマグカップで構成されたマネキン課題を行った。最後に,これまで提示された3種類のマグカップに対して,好きだと思う程度を主観的に評価した。新規のマグカップと比べて,ボタン押しをさせたマグカップはより好きだと評価され,ボタン押しを抑制させたマグカップはより好きではないと評価された。マネキン課題では,ボタン押しをさせたマグカップと新規のマグカップで,接近時・回避時の反応時間に違いはみられなかった。しかし,ボタン押しを抑制させたマグカップに対しては,新規のマグカップと比べて,接近時の反応時間が長くなり回避時の反応時間が短くなる傾向がみられた。また,ボタン押しを抑制させたマグカップに接近する試行では,誤反応率が高くなった。 本年度の研究から,Go/NoGo課題により,主観的な選好だけではなく潜在的な接近-回避傾向が変化する可能性があることが示された。また,マネキン課題の誤反応率が,回避傾向の一つの指標になりうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により,全体的に研究が遅れている。予定していた対面による生理指標測定実験がまだ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験データをもとに,マネキン課題において反応時間と誤反応率の両方を考慮した接近-回避指標を検討する。また,反応時間・誤反応率以外で接近-回避傾向を評価できる測度を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で,対面実験が実施できず,対面の国際学会にも参加できなかったため。繰り越し分は,国際学会等の参加費・旅費などに使用する予定である。
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