2020 Fiscal Year Research-status Report
顔の第一印象とは何か:印象知覚の無意識的側面からの検討
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20K03481
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
作田 由衣子 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (30454078)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 顔認知 / 印象知覚 / 無意識的処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、顔から知覚される第一印象の無意識的処理過程に焦点を当て、印象の意識体験がどのように生起するかを明らかにすることを目的とする。近年の研究では、「良い人そう」のような顔からの特性推論は自動的かつ一瞬のうちになされるものであり、無意識的知覚に近いものと考えられている。そのため、本研究では無意識的知覚の検討に用いられる実験手法である連続フラッシュ抑制手続きを援用し、印象知覚の無意識的過程について、文化差および個人差に注目しながら検討することとした。 初年度は、まずは共同研究者とメールやZoomを用いた打ち合わせを行い、実験用ウェブサイトの作成と刺激提示・データ収集用プログラムの準備を行った。また、並行して、実験で用いる刺激の作成とその印象測定についての予備的検討を行った。コンピュータグラフィクスのソフトウェアFaceGenを用いてリアルな顔画像を様々なバリエーションで作成した。それらの顔画像に対してSD法による印象評価実験を行い、信頼感や支配性といった主要な印象特性を強く持つ刺激を選定した。その結果、海外で行われた先行研究と比較し、日本においては特に信頼感印象を生じさせる顔画像の物理特性が異なる可能性が示唆された。顔の印象とその基盤の文化差についてはまだあまり検討が進められておらず、この研究をさらに積み重ねることにより、顔から知覚する印象がどこから来るのかという印象知覚のメカニズムとその文化差を明らかにすることができると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の対策のため、実験室の利用を制限せざるを得なかった。しかし、その一方で共同研究者とは密に連絡を取り、オンラインでの実験の実施を目指して準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本来は実験室実験を予定していたが、今後はクラウドソーシングサイトを利用し、オンラインでの実験の準備を進める。まずは実験用ウェブサイトを完成させ、2021年度中には予備実験を実施し、本実験に入る。
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Causes of Carryover |
本来は研究打ち合わせの旅費や実験室実験を行うためのアルバイトの雇用などで助成金を使用する予定だったが、新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、出張や実験室実験が制限され使用できなかった。 次年度は、オンライン実験のためのウェブサイト作成やデータ管理などの補助のためアルバイトを雇用するとともに、実験参加者への謝金やデータを発表する際の英文校閲費として助成金を使用する。
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