2023 Fiscal Year Research-status Report
顔の第一印象とは何か:印象知覚の無意識的側面からの検討
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20K03481
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
作田 由衣子 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (30454078)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 顔認知 / 印象知覚 / 無意識的処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
人は顔を見るとほぼ自動的に、その人物についての第一印象を形成する。近年の研究によれば、たとえば「良い人そう」のような、顔からの特性推論は自動的かつ一瞬のうちになされるものであり、無意識的知覚に近いものと考えられている。本研究は、顔から知覚される第一印象の無意識的処理過程に焦点を当て、印象の意識体験がどのように生起するかを明らかにすることを目的とする。本研究では無意識的知覚の検討に用いられる実験手法である連続フラッシュ抑制手続きをさらに発展させた手法を用いて、印象知覚の無意識的過程について、文化差および個人差に注目しながら検討することとした。この手法により、様々な社会的特性を持つ顔に対する気づきの優先性およびその文化差について検討する。 2023年度は、前年度から継続し、刺激提示およびデータ収集用プログラムの作成を行い、データ収集を行った。顔画像を提示した際の日本人の印象判断の特徴についてアメリカ人との比較を行い、印象判断の文化差について、2024年2月に国際学会Society for Personality and Social Psychology (SPSP)年次大会において研究報告を行った。さらに、印象形成の無意識的過程について検討を行った成果を、2024年6月に日本認知心理学会第22回大会において発表予定である。現在は、さらに新しい実験用プログラムの準備を行い、実験を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、実験プログラムを作成し、実験を実施することができた。また、これまでに得られたデータに基づき国際学会において発表することができた。しかし、昨年度までの研究がコロナ禍の影響により想定していたよりも進んでいなかったため、当初の計画と比較しやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに作成したプログラムに加え、さらに新しい実験のプログラムを作成し、複数回の実験を予定している。オンラインでの実験と対面での実験を併用し、さらに効率的に研究を進めることを考えている。
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Causes of Carryover |
本来は研究打ち合わせの旅費に助成金を使用する予定だったが、国際情勢の悪化により打ち合わせのための出張を見送ることとした。次年度が最終年度であるため、主にデータを発表する際の英文校閲費や論文投稿・掲載費として使用する予定である。
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