2020 Fiscal Year Research-status Report
Evolutionary origin of numerical cognition
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20K03485
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
後藤 和宏 相模女子大学, 人間社会学部, 准教授 (20546725)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相対的数量弁別 / メンタルナンバーライン / SNARC効果 / げっ歯類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、汎用性の高い実験動物であるマウスを対象に、数量の認識のしくみについて理解することである。今年度は、数量の大小を弁別する相対的数量弁別を検討し、数量の大小を空間配置(小さい量を左、大きい量を右)と対応づけるメンタルナンバーラインについて調べた。 マウスに数量の8と4を提示し、8を選択する弁別訓練を実施し、その結果を解析した。この課題は20セッション程度の訓練で正答率が80%を超え、その後、未訓練の数量に対しても般化が見られた。この結果は、他の動物種における相対的数量弁別の知見とおおよそ対応しており、マウスでも数量の認識ができていると考えられる。しかし、近年、相対的数量弁別では、数量以外の手がかりの重要性についても指摘されつつあり、本研究についても結果の解釈に慎重さが求められる。 さらに、メンタルナンバーラインに関するテストを実施した結果、マウスは小さい量を右、大きい量を左に対応づけているという知見が得られた。しかし、個体間で一貫した空間配置と数量の大小の結びつきが見つからなかったため、再度、相対的数量弁別を訓練した。この追試では、最初の実験と異なり、数量の大きいものを選択する個体と、数量の小さいものを選択する個体を用意した。すると、数量の大きいものは前回の実験同様、弁別が獲得されたのに対して、数量の小さいものは弁別の獲得が困難だった。この結果は、相対的数量弁別の解釈を限定的なものとしてしまう可能性があるため、訓練方法を含め、再検討が必要だと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相対的数量弁別については、弁別が獲得できただけでなく、未訓練の刺激に対しても般化が見られたことから、他の動物種における知見がおおよそ再現できた。左右の空間配置と数量の大小の結びつきを検討したメンタルナンバーライン・テストでは、個体間で一貫性が見られず、今後、テストの仕方を含めまだ検討の余地がある。これらの知見を得るところまでが当初計画していたことであり、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
相対的数量弁別課題において、マウスが数量の大きなものを選択することが学習できたのに対して、数量の小さいものを選択することを学習できなかった。この結果は、相対的数量弁別の知見を限定的なものとしてしまうため、今後、まずはどちらの条件でも相対的数量弁別を獲得できるのかを明らかにすることが重要である。 また、近年、相対的数量弁別課題では、数量以外の手がかりにより弁別が獲得されている可能性が複数の動物種で指摘されており、その点についても引き続き検討していく必要がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大のため、研究計画の進捗の遅れが予想されたこと、当初計画していた成果報告が行えないことに対応するため、実験装置を増設したことから、当初予算を前倒しする必要が生じた。
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