• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

左無視性失読の特徴と読字方略に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20K03501
Research InstitutionInternational University of Health and Welfare

Principal Investigator

阿部 晶子  国際医療福祉大学, 大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 言語聴覚分野, 教授 (60250205)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords左半側空間無視 / 左無視性失読 / 視線解析 / return sweep / 行頭の手がかり / 行頭の文字表記 / 空間性短期記憶
Outline of Annual Research Achievements

左半側空間無視患者では、横書き文を読む際に行頭文字の読み落とし(左無視性失読)を認めることがある。健常者では横書き文の改行時、return sweep(行かえ)と呼ばれるサッケードが行末から行頭近くに達するのに対し、左半側空間無視患者ではreturn sweepが行頭よりも右側で終わることが知られている(Karnath & Huber, 1992)。本研究の目的は、①左空間無視患者における横書き文の改行時の眼球運動の特徴、②改行時の眼球運動に影響を与える要因、③文の行頭の探索を困難にする要因を明らかにすることである。2023年度は、研究代表者の体調不良による研究中断のため、当初の計画通りに研究を進めることができなかった。2024年度は、研究を再開できる目途が立ち、以下の方針で研究を推進する計画である。
1)横書き文を音読する際の視線の停留位置に文の配置と構造が与える影響の検討:新たな分析を追加し、学会発表および論文執筆を行う予定である。
2)横書き文を音読する際の視線の動きに行頭の手がかり及び文字表記が与える影響の検討:2023年度当初に計画していたデータ分析を終えることができなかった。2024年度はデータの分析と論文執筆を進める予定である。
3)行頭文字の視覚探索の困難さに空間性短期記憶障害(行頭の位置情報の記銘・把持の困難さ)が与える影響の検討:横書き文の改行時には、行頭の視覚探索が必要となる。先行研究から、左半側空間無視患者の視覚探索の困難さには空間性短期記憶障害が関与している可能性が示されているが、その詳細は明らかになっていない。2024年度は、研究協力者とともに、視覚探索の困難さと空間性短期記憶障害の関連性について検討を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究代表者の体調不良により進行が大幅に遅れた。
1)横書き文を音読する際の視線の停留位置に文の配置と構造が与える影響の検討
これまでに収集したデータの分析を計画通りに進めることができなかった。
2)横書き文を音読する際の視線の動きに行頭の手がかり及び文字表記が与える影響の検討
2023年度中に健常者および症例のデータ収集・分析を予定していたが、計画通りに進めることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

研究期間を1年間延長し、最終年度を2024年度までとした。2024年度は、以下の方針で研究を推進する計画である。
1)横書き文を音読する際の視線の停留位置に文の配置と構造が与える影響の検討:2023年度までの検討から、健常者においては、文の構造によってreturn sweepの開始および終了位置に差が生じ、文の配置によって視線が最も左方で停留する位置(最左停留位置)に差が生じる可能性が示された。2024年度は、追加の分析を行い、学会発表と論文執筆を行う予定である。
2)横書き文を音読する際の視線の動きに行頭の手がかり及び文字表記が与える影響の検討:2023年度までに課題を完成させ、研究協力者を得てデータ収集を行ったが、データ分析に着手することができなかった。2024年度は、これまでに収集した視線データの分析を行い、論文執筆を行う予定である。
3)行頭文字の視覚探索の困難さに空間性短期記憶障害(行頭の位置情報の記銘・把持の困難さ)が与える影響の検討:横書き文の改行時には、行頭の視覚探索が必要となる。先行研究から、左半側空間無視患者の視覚探索の困難さには、空間性短期記憶障害が関与している可能性が示されているが、その詳細は明らかになっていない。2024年度は、研究協力者とともに、患者の視覚探索の困難さと空間性短期記憶障害の関連性について検討を行う。研究協力者は、左半側空間無視患者を対象とした臨床および研究の経験があり、研究を進める体制は整っている。

Causes of Carryover

研究代表者の体調不良による研究中断のため、2023年度は助成金を使用せずに、研究期間を1年間延長した。残金は、眼球運動測定用のソフトウェアライセンス料、学会発表のための旅費に充てる計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 文理解のオンライン処理過程の検討-高齢者における文読解時の視線計測-2023

    • Author(s)
      櫻岡絵里香,小森規代,地主千尋,阿部晶子
    • Organizer
      第13回国際医療福祉大学学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi