2020 Fiscal Year Research-status Report
Gait characteristics correlating to individual differences in personality traits and visual motion perception
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20K03504
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
市川 寛子 東京理科大学, 理工学部教養, 准教授 (60540367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 裕 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 教授 (60408713)
荒木 修 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (20313710)
浦川 智和 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 講師 (80586644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行動作 / 性格特性 / 運動知覚 / 自閉症傾向 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歩行動作に個人の内的特性が反映される生体内の過程を明らかにすることを目的として行っている。作業仮説として、個人の内的特性が、運動する対象物の視知覚の個人差を生じさせ、視知覚の個人差が歩行動作の個人差として観察されていると考えている。2020年度は、前方から歩いて接近してくる他者の動きを観察した際の脳波成分を同定することを目指した。実験は2019年度に実施し、このデータ解析を行った。実験では実験参加者に接近する他者の映像を繰り返し観察させ、その時の脳波を計測した。接近する他者の映像としてヒト身体の関節に装着した光点の動きで表現するpoint light walker(PLW)を用いることで、顔や体つきなどの外見の要因が接近運動の知覚に影響することを避けた。さらに、実験場面を、実際に人間同士が歩行中にすれ違う場面に近づけるため、以下2点の工夫を行った;(1)実験刺激を人間の大きさに近いサイズで提示、(2)実験参加者を立たせた状態での脳波計測。実験参加者の内的特性として性格および自閉症傾向を探るための質問紙を行った。脳波計測は8チャンネルの無線脳波計で行い、前頭・頭頂・側頭・後頭の各部位から計測した。計測した脳波から、画面に映し出されたPLWが歩き出した時点を基準としたERP成分を抽出した。その結果、自閉症傾向が高い実験参加者ほど、初期の陰性電位の潜時が長いことが示唆された。2021年度はさらにデータ分析を進め、研究成果を公表することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行のため大学への入構禁止措置があり、あらゆる研究活動の遂行が困難になった。入構禁止が解除された後も、感染拡大を予防するための設備備品を入手しそろえるまでに時間がかかり、実験を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
取得済みの実験データの解析と考察を行い、学術論文として刊行することを目指す。さらに、より実環境に近い条件で実験室実験を行い、二人の歩行者が歩いてすれ違おうとする際の相手の動きの知覚に関連する脳波成分を同定し、これと性格特性との関連を検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、一切の研究遂行が困難な時期があったため次年度使用額が生じた。2021年度はすでに取り終えたデータの論文公刊のために英文校閲費として使用するほか、次の実験を実施するための設備購入によって予算を使用する。
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