2021 Fiscal Year Research-status Report
スピン対称群の特殊ブロックの研究による既約表現の構成と導来圏同値の導出
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20K03506
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土岡 俊介 東京工業大学, 情報理工学院, 講師 (00585010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 柏原クリスタル / 量子群 / ロジャーズ・ラマヌジャン恒等式 / アフィン・リー環 / ヘッケ環 / 対称群 / 超幾何級数 / 頂点作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2つ成果をあげることができた。1つめは柏原クリスタルを用いて、第2ロジャーズ・ラマヌジャン恒等式の証明を与えることができた。議論ではAriki-Kreiman-Tsuchiokaによる、アフィンA型基本クリスタルのテンソル積中での連結成分を特長付け(これ自体は、ヘッケ環の表現論の研究に由来している)が役割を果たす。この議論を別の型のアフィン・ディンキン図形に適用できるかどうかは今後の課題である。2つめは、頂点作用素によってA^{(1)}_{2}型レベル3の分割定理を見つけ・証明した。ロジャーズ・ラマヌジャン恒等式のLepowsky-Wilsonによるリー理論的な証明以来、任意のアフィン型と支配的整ウェイトについて、無限積が標準加群の主指標で与えられるようなロジャーズ・ラマヌジャン型恒等式の存在が期待されており、A^{(1)}_{2}型ではAndrews-Schilling-Warnaarの結果から、A2ロジャーズ・ラマヌジャン恒等式と呼ばれる恒等式が研究されてきた。最近では円柱分割との関係が詳しく研究されいるが、レベルが3の倍数の場合は研究が避けられており、その意味でもレベル3の結果は意味があると考えている。この結果を、より高レベルに拡張することや、一般のA^{(1)}_{r}型に拡張することは今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
整数の分割の研究は、対称群のスピン表現の研究成果に関連して開始したが、それ自体で当初予期しない進展があり、こちらにかなりのウェイトを割くことになってしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
整数の分割に関連した頂点作用素の研究で、対称群の表現論に関連する結果が得られているので、その整理を急ぎたい。
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