2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K03521
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
木田 雅成 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (20272057)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ガロア群 / 逆ガロア問題 / デデキントゼータ関数 / 数論的同値 / L関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究集会やセミナーが再開され, 資料取集, 情報交換, 研究発表などの研究活動を活発化することができた. その中で文献の精読を中心に研究をすすめ,以下のような研究成果を得た. (1) 昨年度に得られた数論的同値な複数の体の構成がすでに行われていたことがわかったが, 手法や対象となるガロア拡大が異なり, 十分な意義があることがわかった. この結果は Canadian Mathematical Bulletin が掲載されることがきまった. (2) 数論的同値とガロア群の同質類の関係について研究をした. その結果, 二つの群 G,H が同質で G から H への単射が存在するとき, G拡大の中に数論的に同値な体が存在すれば, H 拡大にも数論的に同値な体が存在することがわかった. この結果に関しては 9月に神戸大学で開催された, 「三角函数研究会」および「2022大分熊本整数論研究集会」 で研究発表をおこなった. またその発表から多くのフィードバックをえて, 今後の研究のヒントを見出すことができた. 本研究については現在,学術雑誌に論文を投稿中である. (3) 柳井裕道氏と共同でここ数年来おこなってきたCMタイプの非退化指数についての研究を総括する講演を12月に「愛知数論セミナー」で行った. (4) セミアーベル群とよばれるクラスの群をガロア群にもつ代数体に関する文献の精読をおこない, セミアーベル群の同質類に関する考察をおこなった. またセミアーベル群の群論的な特徴づけについても研究をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガロア群の同質類に注目した, 本研究であるが, 同質という概念が数論において大きな役割を果たしいることが徐々にあきらかになってきた. この背景には研究集会, セミナーなどが再開され,研究打ち合わせ, 情報収集が円滑におこなえたこと, オンライン授業の廃止による研究時間の増加が大きい.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も研究集会等に積極的に参加し, 研究のために資料収集, 共同研究者のとのディスカッションなど研究に集中できる環境・状況を積極的に作っていきた い. 研究の方針については, 申請時の研究計画からの大きな変更はない.
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響で研究集会への出席ができなかった年が続いたのが大きい.
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Research Products
(9 results)