2021 Fiscal Year Research-status Report
Structure of algebraic varieties and generalized Jacobian conjecture
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20K03525
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
宮西 正宜 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (80025311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 佳代 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40280416)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジャコビアン予想 / アフィン空間 / 不分岐自己準同型写像 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツのDe Gruyter社から,著書「Affine space fibrations (342 pp)」を,R.V. Gurjarと増田佳代との共著で出版した.アフィン代数幾何学の中心テーマである,アフィン空間をファイバーとするファイバー空間の構造と,そのようなファイバー空間である代数多様体の構造を論じたものである. 論文「Equivariant Jacobian conjecture in dimension two」をTransformation Groups誌に発表した.アフィン平面上の多項式写像が不分岐で偶数位数の有限群の作用と可換ならば,多項式写像は自己同型写像であることを証明した.2次元のジャコビアン予想の特別な場合であるが,このような研究結果は初めてである. 論文「Equivariant triviality of affine space fibrations」をR.V. Gurjar, 増田佳代,P. Russellの共著で完成し,Transformation Groups誌で査読中である. 著書「Algebraic surfaces in positive characteristics - Purely inseparable phenomena in curves and surfaces-(438 pp)」を伊藤浩行との共著でWorld Scientific社から出版した.正標数の純非分離拡大に伴って生じる特異現象と特異点を1次元と2次元の場合に論じたものである. 著書「Affine algebraic geometry」をWorld Scietific社から出版すべく,原稿執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ジャコビアン予想は2次元の場合においても未解決で残されている,多分唯一の難問である.報告者は,その特別な場合で,不分岐自己準同型写像φ=(f,g) : A^2 → A^2が有限群Gの作用と可換であって,Gの位数が偶数であるときに,予想を肯定的に解決した.これまでの結果はφの次数に制限を付けたものだけである. 今後の方向は,Gが奇数位数の巡回群の場合に解決を目指すことになる. これらの研究のアプローチから,有限群の作用を借りない一般の場合のアプローチが見えてくることを期待している.
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Strategy for Future Research Activity |
ジャコビアン予想の解決に当たっては,A^2の不分岐自己準同型写像がA^2の無限遠点でどのように振舞うかを解析することが,解決への正しい道筋であるという確信を持っている.困難は無限遠点での振る舞いをどのように記述し,コントロールするかである.既存の代数幾何学の範疇に収まるのか,それを超える新しい道具が必要であるのかは,現在,模索中である.
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Causes of Carryover |
Covid-19 pandemicにより,海外・国内の研究集会がすべて,キャンセルされるかonline開催に変更されて,予定していた旅費計上額が使用できなかった. Pandemicの収束に併せて,対面の研究集会が復活することが期待される.現在、2023年7月にロシアのサンクトペテルブルクでKaliman研究集会(AV-East)が予定されているが,ウクライナ紛争との関わりで開催が危ぶまれる.代替案として,シンガポール国立大学の数学研究所にDe-Qi Zhangを訪ねて,1か月ほどジャコビアン予想の共同研究をすることを計画している.さらに,残額が生じた場合には,アフィン代数幾何学研究集会(毎年開催)に外国人研究者を招へいするのに使用する.
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Research Products
(3 results)