2022 Fiscal Year Research-status Report
Structure of algebraic varieties and generalized Jacobian conjecture
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20K03525
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
宮西 正宜 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (80025311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 佳代 関西学院大学, 理学部, 教授 (40280416)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アフィン平面 / 不分岐自己準同型写像 / ジャコビアン予想 / 有限自己同型群 / プラトニック代数曲面 / A^1*-ファイブレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
複素数体上のアフィン平面A^2=Spec C[x,y]の不分岐自己準同型写像は同型写像であるというのが,2次元のジャコビアン予想である.既に,7,80年間,多数の数学者の努力にも拘わらず,未解決の問題である.アフィン平面亜^2の自己同型群Aut(A^2)の有限部分群Gで鏡映部分群を含まないものは分類されていて,よく知られている.そこで,A^2の自己準同型写像fで有限部分群Gの作用と可換なものを考える.X=A^2/GをA^2のGによる商とすると, Xの構造はA^1*-ファイブレーションを持つ正規プラトニック曲面として既知であり,自己準同型写像fはXの不分岐自己準同型写像Fを引き起こす.このとき,fが同型写像であることと,FがXの同型写像であることは同値になる.今回,Gの位数が偶数ならば,Fは同型写像になることを証明した.Gの位数が奇数の場合は未解決である.証明は,Xが持つA~1*-ファイブレーションが自己準同型写像Fで保存されるかどうかに帰着される.ジャコビアン予想の解決としては部分的で,制限的であるが,肯定的結果を得る道筋を明示できたことは小さくない貢献である. さらに,ジャコビアン予想をテーマとした教科書「Affine Algebraic Geometry, Geometry of polynomial rings」を完成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の家籠りの間,アフィン代数幾何学というタイトルの本を書き上げた.World Scientific社から,近々,上梓される.その中で,ジャコビアン予想をアフィン平面の不分岐自己準同型砂像から,一般の代数多様体の不分岐自己準同型写像に拡張した,「一般ジャコビアン予想」の現況についてまとめた.予想は大半の場合に成立するが,反例も存在する.反例がもつ代数多様体の性質や構造を解析して,何故,アフィン平面(もっと一般にアフィン空間)の場合が難しいのかを理解することを目的とした. 最近は,ジャコビアン予想の成立・不成立を一直線に示すだけでなく,「一般ジャコビアン予想」を手掛かりとして,代数多様体の構造を知るプローブとしての役割を期待している.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の進捗状況を踏まえて,次のような代数多様体について,「一般ジャコビアン予想」を考えることを目的とする. (1)Danielewski曲面 x^ny=f(z), nは正整数,f(z)は1変数多項式で,f8z)=0が重婚をもたない.この局面はZariski消去問題の反例を与える. (2)Danielewski曲面を3次元に拡張するKoras-Russell 3-fold. (3)semi-simpleまたはreductiveな代数群G.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で,出席を予定していた国内外の研究集会がほとんどキャンセルされたことによる.これまでと同様に,海外の研究集会出席の旅費として使用する.または,海外の研究者を国内の研究集会に招待するのに使用する.
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