2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of the Jacobian conjecture analyzing various families of etale morphisms between affine spaces
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20K03538
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 光靖 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10208465)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヤコビアン予想 / アフィン空間 / エタール射 / 同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヤコビアン予想の解決を目指す本研究であるが、このアフィン代数幾何学・可換環論における問題の解決には、幅広い話題における研究者との交流が重要である。研究機関において、セミナー「可換環論の新しい融合セミナー」、「可換環論の新しい融合セミナー II」をそれぞれ 2022年1月と3月に大阪市立大学において開催し、可換環論における幅広い分野を研究する研究者と交流し、3月のセミナーで同予想について講演を行った。また、この交流から得られたアイデアに基づき、2次元の場合のヤコビアン予想への新たなアプローチを得た。2022年度に入ってこの方向は順調に進展中であり、現在は同じアイデアの高次元化を検討中である。新たなアプローチでは、同型であることが知りたいアフィンn空間のエタールな自己射に対して、ある次数付き環を付随させ、ポアンカレ級数を調べることにより、元の射を調べるというものである。n が大きくなった場合にもこの手法が使えることが期待でき、これは今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は重要な未解決予想であるヤコビアン予想の解決を目指すものであり、解決に向けての手がかりは得られていると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
2次元の場合について、証明を書き下し、検証を加えることが必要である。また、高次元の場合への一般化が懸案である。ヤコビアン予想自体は標数零での予想であるが、関数体の拡大について、ガロア閉包までの拡大次数が体の標数で割れない状況では同じ証明が通用すると考えられるので、そのことについても検討する。
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Causes of Carryover |
海外への渡航が大変困難な状況となっており、また、国内での研究集会が激減している状況から、旅費の使用が予定の通りではなかったため。2022年度には米国から研究者を招聘する方向で検討するなどして、現在進めている証明方法の検証を進める際に旅費が使用されていく。また、研究成果の発表のための旅費も必要になると期待される。ハイブリッド集会への対応のために、配信のための機材の強化を検討している。
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