2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03539
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
水野 有哉 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30726352)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クイバー / 多元環 / 多元環の表現論 / 道多元環 / 前射影多元環 / 単体的複体 / オイラー数 / 母関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究成果の一つとして、青木利隆氏との共同研究であるDynkin型の道多元環および前射影多元環のτ傾加群の次元の数え上げに関するものが挙げられる。以下ではこれに関して詳しく説明をする。 Dynkin型前射影多元環のτ傾加群は、そのDynkinのルート系と密接な関係を持つことが知られている。より具体的には、Dynkinグラフから定まるWeyl群の元と前射影多元環上の台τ傾加群は一対一に対応し、さらに半順序構造までも同型となる。このことから表現論的なさまざまな問題が古典的なルート系の組み合わせ論を用いて理解される。また道多元環は前射影多元環の商として与えられ、やはりWeyl群の特別な元として理解することが可能となる。 この研究ではこうした結びつきを単体的複体からより綿密に捉え直し、Dynkin型の道多元環および前射影多元環のτ傾加群の次元を数え上げた。そしてそれはただ単に次元という数字だけでなく、古典的によく知られたW-オイラー数やW-ナラヤナ数など組み合わせとも関連していることが明らかになった。特にA,D,E型それぞれに対して、明快な公式を記述するに至った。一方でまたそうした次元を用いてd-多項式として母関数を導入した。それは古典的なオイラー多項式の類似を見ることが出来る。オイラー多項式の指数型母関数の記述は、オイラーによって与えられたとても有名なものであるが、その類似として前射影多元環のd-多項式の指数型母関数の記述を与える事に成功した。また一方でナラヤナ多項式の母関数の類似として道多元環のd-多項式の母関数の記述を与えた。このように表現論の特別な加群の数え上げと、古典的な母関数の数え上げとの興味深い関連を明らかにするに至った。 以上の結果は論文としてまとめられ、arXivに掲載するとともに現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の計画にはなかった問題ではあるが、良い形にまとめられたのではないかと思う。またそれ以外にも現在進行形の研究もあり、いくつかの成果が得られ、まとまった形にできると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も今のペースで共同研究者達とも連携し、進めていきたい。
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Causes of Carryover |
参加や開催した研究集会のいくつかはオンラインで行われた為、旅費が予想より抑えられた。次年度は現地開催される集会が増えると思うので、その旅費や滞在費として使用する計画である。
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