2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K03545
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
服部 新 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (10451436)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Drinfeld保型形式 / 傾斜 / 旧形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,重さkのDrinfeld尖点形式における傾斜の上界に関する研究を行った. Drinfeld尖点形式とは,正標数の関数体における楕円尖点形式の類似であり,楕円尖点形式に匹敵する深度の数論的性質を持つことが期待されているが,その性質はまだよく分かっていない.楕円尖点形式では自明に従う性質が,Drinfeld尖点形式では未解決問題であることもあり,傾斜の上界もそのような問題の一つである. 傾斜とは素点vでのHecke固有値のv進付値のことで,この値がDrinfeld尖点形式のv進的な性質を司るため,傾斜がどのような値になりうるかを知ることが重要になる. 重さkの楕円尖点形式に対しては新形式・旧形式の理論があり,そこから傾斜の上界がk-1であることが従う.一方,Drinfeld尖点形式に対しては,そのような理論でよいものが見つかっておらず,新しいアイデアが必要になる. 本年度の研究で,Atkin-Lehner対合を用いることで,旧形式でない部分に現れる傾斜が(k-2)/2であることは証明できた.一方で,旧形式の傾斜に対してはGekelerのde Rhamコホモロジーを用いた手法で研究を行ったが,この手法では求める結果が得られなさそうだということが分かった. Drinfeld保型形式の傾斜に関する,前年度に行った研究で,レベル構造付きDrinfeld加群の自己双対を証明したが,そのような自己双対性は一般には期待できない.本年度はその代替物として,D楕円層の行列式が定めるGalois表現とCarlitz指標が結びつくことを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で海外研究者との交流が途絶していたことと,学内委員の業務のため研究に十分なエフォートを割けなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
徐々に海外の研究者との研究交流を再開する.また,傾斜の上界についてはGekelerのde Rhamコホモロジーによる手法はいったん放棄し,Boeckleのクリスタルを用いた手法に切り替えて研究を継続する.
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍のため研究計画通りの使用ができず,補助事業期間を一年延長した. 次年度は海外研究者との研究交流を再開して局面を打開する計画であり,研究討論や情報収集のための旅費として使用する.
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