2023 Fiscal Year Annual Research Report
On embedded resolution of singularities for three dimensional algebraic varieties
Project/Area Number |
20K03546
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
川ノ上 帆 中部大学, 理工学部, 准教授 (50467445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特異点解消 / 代数幾何学 / IFP |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き正標数における特異点解消に関する研究を行なった.本研究者は正標数一般次元における特異点解消の解決を目指してIFPというアプローチを提唱し,Purdue大学の松木謙二氏と共同でこの理論を推進している.IFP下で一般の特異点解消は単項型と呼ばれる場合のそれに帰着する.この単項型の解析は全空間3次元の場合は確立しており,曲面の特異点解消が従う.この手法を拡張,発展させて全空間4次元(3次元特異点解消に対応)の場合の解析を完成させることが本研究の目的である.全空間4次元の場合も全空間3次元の場合と同様に例外因子の配置に従って場合分けをして解析を進める.しかし配置自体の数が多く爆発の中心の不定性が高いなど困難な点が多く,解析は容易ではない.幾つかの配置については不変量を定義し,それらの遷移に際する振る舞いが良いことを確認するなどの部分的な進展を得た.しかし本年度に公表できる結果を得るには至らなかった. 一方で近縁の問題については幾つか進展があった.一つは超平面配置についてである。Feigin氏,Wang氏および吉永氏がプレプリントarXiv:2309.10287においてB_2型拡大カタラン配置の対数的ベクトル場の具体的な生成元の候補を予想したのであるが,代表者は計算代数システムによる実験と本研究で培った微分作用素の扱いを援けに彼らの予想が正しいことを確認した(arXiv:2311.09045).もう一つは正標数における微分方程式の問題である.正標数の線形微分方程式は一般には冪級数解を持たないが,対数をk回合成した関数に対応する変数z_k (k=1,2,…)達を導入すると常に冪級数解を持つ.代表者はウィーン大学のHauser氏及びその学生のFuernsinn氏と共同でこの冪級数解の代数性の観点から見た構造定理を与えた(arXiv:2401.14154,雑誌に投稿中).
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