2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K03549
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
吉澤 毅 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (00636194)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セール部分圏 / ねじれ理論 / 局所コホモロジー加群 |
Outline of Annual Research Achievements |
アーベル圏におけるねじれ対の区間のハートの一般化として、連結ねじれ対の区間のハートを導入し、ハートの構造を左右に分割する方法を与えた。既存のハートでは分割部分が一致するため、ハートの一般化により発見ができた分割法である。新たなハートの研究を進めることで、既存のハートでは得られない性質が見つかる可能性は高い。また、既存のハートの類似の理論が、より広い範囲に適用できる点でも興味深い研究対象である。 次に、研究期間全体を通じて実施した研究の成果について述べる。 (1)環のスペクトラムにおける特殊化で閉じた部分集合を用いて連結ねじれ対が実現できる条件を、局所部分圏を用いて特徴づけた。この結果は、Gabrielによる局所部分圏と遺伝的ねじれ対の特徴づけの拡張であり、部分圏の分類問題に対して連結ねじれ対を用いるという新たな方向性を与える。この結果の応用として、拡大部分圏を用いたセール部分圏の例の構成法を与え、研究目的であるセール部分圏の構造解析に新たな知見を得た。 (2)セール部分圏による連結ねじれ対の概念を加群圏からアーベル圏に抽象化し、ハートによる連結ねじれ対の概念を与えることに成功した。この成果の意義は、独立して研究されてきた傾理論で扱われる「ねじれ対の区間のハート」と、局所コホモロジー論と相性が良いメルカーソン条件と関連が深い「セール部分圏による連結ねじれ対」が、ハートによる連結ねじれ対の枠組みで同時に扱えるようになった点にある。 (3)部分圏の分類を局所コホモロジー論に応用するという研究目的に関して、「局所コホモロジー加群のイデアルの選び方に依存しない消去元の存在性は、環の素イデアルの集合上の非負整数値関数により記述が可能」という事実を発見した。特に、CM環において、局所コホモロジー加群に対する上記の消去元の存在性をCM次元により特徴付け、新たな消滅定理を与えた。
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