2023 Fiscal Year Annual Research Report
Hopf-Galois theory applied to supergeometry
Project/Area Number |
20K03552
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
増岡 彰 筑波大学, 数理物質系, 教授 (50229366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホップ・ガロア理論 / スーパー対称性 / スーパー・スキーム / スーパー群スキーム / スーパー・ホップ代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、物理学におけるスーパー・ストリング理論のインパクトから、数学におけるスーパー幾何学が注目を集めている。その本格的研究が始まった1970年代当初から,主に用いられてきた微分幾何学的手法に比して、開発がやや遅れている代数(幾何)学的手法にも活用が十分期待できる。本研究は、ホップ・ガロア拡大という、代数幾何学におけるtorsorの非可換化の理論を、いわば可換と非可換の中間に位置する「スーパー可換」のコンテクストに応用するものである。 過去3年間行ってきた、スーパー代数群の構造(次元、商、積分など)に関する研究成果に基づき、当該年度はスーパーtorsorの構造を、付随する通常のtorsorを用いて記述することができた。アフィンの制限下においては、注目がとくに期待される次の対応定理が成り立つ。アフィン・スーパー torsor 全体と通常のアフィン torsor 全体とが(同型を除いて)正に1対1に対応する。証明には、ホップ・ガロア理論の諸結果と、研究代表者による可換ホップ代数の同変順滑性定理が有効に用いられている。 こうして得られた研究成果を、大江拓哉、高橋祐太との共著 "Torsors in super-symmetry" にまとめ、国際学術誌に投稿した。当初より期待していた、スーパー・シンメトリック微分ガロア理論を構築する準備ができたと言える。 一方、興味深い今後の課題として、torsorの微分幾何学類似である主束に対して、このたびの研究成果の類似が成り立つか、が生じた。
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