2022 Fiscal Year Research-status Report
フェルマーの方程式に関連する指数型不定方程式の代数的・解析的研究
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20K03553
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮崎 隆史 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (20706725)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 指数型不定方程式 / 単数方程式 / 対数一次形式の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
与えられた互いに素な自然数A,B,C>1に対して、指数型方程式A^x+B^y=C^zの自然数解の個数の一般的な最良評価の研究に従事した。いくつかの具体的な(A,B,C)の例を除けば、解の個数は高々一つであるとR.ScottとR.Styerの両氏によって予想されている。本年度は前々年度および前年度に引き続いて、Istvan Pink氏(Debrecen大学)との共同研究を行った。まず、前年度の研究手法の改良と一般化を試み、方程式に解が二つ存在する条件の下で、Cの値がAまたはBに比べて比較的に小さい場合に、多くの有限的な条件を導く事が出来た。その応用として、特殊な条件を満たす(今までに扱われていない)Cたちの各々に対し、有限個のA,Bの組を除けば、予想が成立することを証明することが出来た。この証明は、ディオファントス近似論における有名なThue-Siegel-Rothの定理に依存しているので、結果は実効的ではない、すなわち、例外的な組A,Bの上限評価が出来ない。これに対し、自然数の平方根として表されるいくつかの無理数に対する制限付き有理近似の限界を与える超幾何級数法を利用することで、一部のCについては結果を実効的にすることが出来た。また、これらに合わせて、abc予想を仮定した下での成果もいくつか得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3変数の純指数型不定方程式について、特殊ではあるが扱いが困難なクラスに対して、その解の個数の最良評価を達成することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で述べたScottとStyerによる予想に対し、実効的な扱いが可能なCに対して考察をしていく。具体的には、その様な各々のCについて、例外的なA,Bのすべての組を取り扱い、予想を証明することを目標とする。同時に、自然数の平方根として表される無理数に対する制限付き有理近似の限界を与える超幾何級数法の改良についても考察していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた出張等が出来なくなり、旅費を消費することが叶わなかった。影響が薄くなると想定される次年度には、後半期内を中心に今年度予定分を使用する。
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