2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K03578
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 久顕 東京工業大学, 理学院, 教授 (20323777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 和徳 大阪大学, 理学研究科, 講師 (40252572)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 4次元多様体 / 写像類群 / Lefschetzファイバー空間 / トライセクション / 井上曲面 / 複素多様体 / ファイバー構造 / ファイバー和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は、令和2年度基盤研究(C)(一般)研究計画調書「研究目的、研究方法など」欄および令和2年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書「補助事業期間中の研究実施計画」欄に記載した計画に基づいて実施された。 研究協力者のAndrei Pajitnov氏(ナント大学)との共同研究に関しては、これまでの共同研究において発見された井上曲面の高次元への新しい一般化に関する研究を継続した。 特に、シンプレクティック構造・局所共形ケーラー構造の存在・非存在に関する議論を行った。 4次元多様体のトライセクションに関する研究については、研究協力者の谷本北斗氏(東京工業大学大学院生)と相対トライセクションに関する議論を行った。また、研究室の修士課程の大学院生とのセミナーにおいて、曲面絡み目の橋トライセクションやPrice手術によるトライセクション図式の変化について学ぶ機会に恵まれた。 チャート表示を用いたLefschetzファイバー空間の分類と不変量の構成に関しては、研究協力者の久野恵理香氏(大阪大学)と定期的に連絡をとり、議論を継続している。また、Lefschetzファイバー空間のファイバー和の研究に関しては、研究分担者の菊池和徳氏(大阪大学)との共同研究を進めている。 Lefschetzファイバー空間の基本事項と最近の研究動向についてまとめた論説「Lefschetzファイバー空間」(雑誌『数学』に掲載)の英訳が本年度中にSugaku Expositions誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者のAndrei Pajitnov氏(ナント大学)との共同研究は数年にわたり順調に進展していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により来日・渡仏の機会がなくなり、新しいスタイルでの授業への対応などの忙しさも加わって、大きなペースダウンを余儀なくされた。研究代表者らが発見した井上曲面の高次元への新しい一般化については、特にシンプレクティック構造の存在と非存在について議論の途中であったが、思うように進展していない。一方、この複素多様体が特別な場合にOeljeklaus-Toma多様体上のファイバー束の構造を持つことが明らかになるなど、全く進展がないわけではない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度基盤研究(C)(一般)研究計画調書「研究目的、研究方法など」欄および令和2年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書「補助事業期間中の研究実施計画」欄に記載した計画に基づいて引き続き実施する予定である。当初の研究実施計画は若干後ろ倒しになるものの、研究計画の内容を大きく変更することは行わない。また、上記の調書および申請書に記載した課題の他に、研究を遂行する上で対応すべき課題は現時点で見当たらない。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、研究代表者・研究分担者・研究協力者の海外出張・国内出張がほぼキャンセルされたので、旅費の使用額がほとんどなかった。令和4年度は、令和2年度の当初の予定と同程度の出張を見込んでおり、そのために旅費を使用したい。また、研究代表者・研究分担者・研究協力者の研究上の議論をリモートで行うための機器の整備のために、物品費を使用したい。
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Research Products
(4 results)