2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K03592
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石田 裕昭 鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (00722422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 複素多様体 / トーラス作用 / 葉層構造 / トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の自身の研究において, 多様体上の極大なトーラス作用の概念を導入し, コンパクトな複素多様体であって極大なトーラス作用を許容するものの完全な分類が得られていた. またトーラス作用で不変な葉層構造, 横断ケーラー構造とモーメント写像を統一的に扱い, 複素多様体にはその複素構造だけから定まる特別な葉層構造 (canonical foliation) があり, それがモーメント写像を持つような横断ケーラー葉層構造の下界であることや, モーメント写像の像は凸多面体であること, すなわちシンプレクティック幾何における Atiyah, Guillemin-Sternberg の convexity theorem の類似が成り立つことを示していた. 極大なトーラス作用つきの複素多様体に canonical foliation を入れたものの横断同値類が, marked fan とよぶ組み合わせ論的対象で記述されることを示していた. またこの対応を用いて, 横断ケーラーな場合にはその basic cohomology が対応する marked fan によって記述されることを示していた.
当該年度では, Roman Krutowski と Taras Panov との共同研究において, 上の結果から横断ケーラーの仮定を取り除くことができることを示した. この結果は2020年10月に査読付き学術雑誌に掲載, 出版された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した結果は本研究課題の目標の一つであり, 順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までは進捗は順調であり, 今後も交付申請書に記載した通り推進していく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により, 予定していたロシア及びカナダへの研究集会参加が延期となった. 改めて開催が予定されれば, それらに参加するための旅費に充てる.
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Research Products
(6 results)