2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03592
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石田 裕昭 鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (00722422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 複素多様体 / トーラス作用 / 葉層構造 / トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)偶数次元コンパクトリー群には左不変な複素構造が存在することは古くから知られおり, さらに2000年代になって左不変でない複素構造の構成が発見されている. 本研究課題では糟谷久矢氏との共同研究で, モーメント写像と葉層構造の手法を利用してSU(3)上の複素構造の研究を継続して行なっている. 昨年度までに一定の結果が得られて論文に纏めていたが, 今年度の成果としてより明瞭な証明, 議論を得た. そのために論文の大幅な加筆修正を行なった.
(2)トーリック多様体の微分同相型の分類問題は, トーリック幾何, トーリックトポロジーにおける懸案となっている. 特にBott多様体と呼ばれるものに対して「2つのBott多様体の整‘係数コホモロジー環の間の同型写像は, 微分同相写像から誘導される」かどうかが問われている(Bott多様体の強コホモロジー剛性問題). Bott多様体は複素射影直線束を繰り返して得られる多様体であり, 6次元以下の場合は強コホモロジー剛性が成立することが知られていた. 4次元以上のBott多様体はその構成方法から, 自然にHirzebruch曲面束の構造を持つが, 今年度はBott多様体の構成から自然に得られるHirzebruch曲面束の「強コホモロジー剛性」を示し, さらにその系として8次元のBott多様体の強コホモロジー剛性が成立することを示した. この結果は論文に纏め, 当該年度中に出版された. またこの結果を用いてChoi, Hwang, Jangたちはさらなる結果を得たようである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トーリック多様体の強コホモロジー剛性問題に進展があったことは思いがけない収穫であった. 一方で, より一般のコンパクトリー群上の複素構造については一定の課題があり, 解決に向けて努力しているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
糟谷久矢氏との共同研究テーマについては, 解決すべき未知の部分も多くあり, 今後も共同研究を続けるつもりである.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により, 参加を予定していた研究集会のほとんど全てが中止あるいはオンラインでの開催となった. 改めて次年度に対面での開催が予定されれば, それらに参加するための旅費に充てる.
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Research Products
(4 results)