2022 Fiscal Year Research-status Report
結び目群間の全射準同型と結び目の不変量との関連についての研究
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20K03596
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鈴木 正明 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (70431616)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 結び目群 / 全射準同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで結び目群間の全射準同型の存在もしくは非存在についての研究を行っていた。その研究と並行して結び目群間の全射準同型の存在と結び目の幾何的な性質の関係、特に不変量の関係について考察をした。 結び目を特殊ではあるが、最初に考察すべき結び目のクラスである2橋結び目に限定する。2橋結び目は有理数と対応していて、その有理数の連分数展開を用いて、その交点数や結び目の種数を求めることができる。一方、2橋結び目については、先行研究によってそれらの結び目群間に全射準同型の存在の必要十分条件が知られている。これも2橋結び目に対応する有理数の連分数展開を用いてその必要十分条件を表すことが出来ることにより、これらを組み合わせて全射準同型が存在する際の交点数の関係や結び目の種数の関係、さらに2橋結び目が与えられたとき、ある交点数とある結び目の種数をもつ2橋結び目から全射準同型が存在するのがいくつあるかという母関数も知られている。 この研究を発展させ、別の幾何的な性質である結び目の組みひも指数を考察した。全射準同型が存在する場合にそれらの2橋結び目の橋指数の関係についての不等式を得ることが出来た。これも前述の方法と同様に2橋結び目に対応する有理数とその連分数展開を用いて考察することが出来る。さらに任意の2橋結び目に対して、その組みひも指数の不等式を満たすならば、与えられた2橋結び目に全射準同型が存在する2橋結び目を構成することが出来ることも分かる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外の研究者との研究打ち合わせや研究集会についてコロナ禍前に戻りつつも、また議論が十分にできていないことと、前年までの遅れのため、研究はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2橋結び目の結び目群間の全射準同型の存在と結び目の組みひも指数との関係、もしくはその他の不変量との関連を研究する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、国内外の研究者と研究打ち合わせをしたり、研究集会に出席すること難しいことがあったため次年度以降に使用することを計画している。
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