2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03598
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三石 史人 福岡大学, 理学部, 助教 (80625616)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 測度距離空間 / ピラミッド / アレクサンドロフ空間 / 距離空間 / 無限大ラプラシアン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では以下の結果を得た. (1) 福岡大学の江崎氏, 九州大学の数川氏と共同で, グロモフのピラミッドと呼ばれるある種の無限次元空間の研究を行った. ピラミッドの不変量を幾何解析的手法で開発し, それを用いて, ある二つの無限積を区別した. また, ピラミッドあるいは測度距離空間の錘を定義し, 錘の生成空間の収束現象と錘自身の収束現象との関係を明らかにした. (2) 沖縄科学技術大学院大学の柳氏と共同で, 距離空間上の無限大ラプラス方程式のリュービル性を証明した. これは一般に言える事であり, 通常のラプラス方程式との違いが興味深い. (3) 筑波大学の山口氏と大阪大学の藤岡氏との共同で, アレクサンドロフ空間の非崩壊モジュライのリプシッツホモトピー有限性定理の定量版を開発した. 以前は定性版を得ていたが, その進展といえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレクサンドロフ空間の崩壊・非崩壊現象の解明について進展があった。 また当初企画していなかった距離空間上の解析学の進展や無限次元空間を本質的に扱うピラミッドの研究に携わる事ができた。これらは大きく回れば、アレクサンドロフ空間などの構造の研究に使える可能性を秘めている。
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Strategy for Future Research Activity |
測度距離空間の幾何解析を推し進める。ピラミッドの研究に関して言えば、確率論や力学系由来の対象が自然に登場するので、それについて(幾何解析的手法を用いて)基礎研究を与えたい。無限大ラプラス方程式をアレクサンドロフ空間上で考える事に意味があると考えているので、それも研究する。
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Causes of Carryover |
当該年度は, 従来通りの出張の機会が増えたのだが, それ以前の繰り越しの分もあったため, 少し繰り越し額が生じた. 繰り越しの分については出張や物品購入の為に使わせていただきたい.
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Research Products
(5 results)