2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03606
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
五味 清紀 東京工業大学, 理学院, 教授 (00543109)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 四元数ベクトル束 / FKMM不変量 / 同変コホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
Giuseppe De Nittis氏と共同で, 対合作用を持つ空間上のAtiyahの意味の``四元数''ベクトル束の特性類であるFKMM(古田-亀谷-松江-南)不変量について, Bredon同変コホモロジーの視点から研究し, 新たな知見を得た. すなわち, FKMM不変量は``四元数''ベクトル束の同型類のなす集合から, ある局所係数付き相対Borel同変コホモロジー群への写像として定義される. 主要な結果は, この写像は3次元以下の同変CW複体上で全射写像となることである. 鍵となったのは, FKMM不変量が住む局所係数付き相対Borel同変コホモロジー群が, Bredon同変コホモロジーとして解釈できるという事実である. 3次元以下の同変CW複体上では, FKMM不変量の写像としての単射性は既にこれまでの研究で示されており, 全射性は2次元以下の同変CW複体と, ある仮定を満たす3次元多様体でのみ, 幾何学的な手法によって示されていた. 今回の研究では, この全射性についての結果を, 新たな手法を用いて改善したことになる. また, これまでの研究で同変3次元CW複体上では, 全射性が成り立たない例があるという結果を得ていたが, これが間違いであることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この一年間は所属先の主要な管理運営業務を担うこととなったが、想定以上に多忙であり、予定していたエフォートが達成できなかった。また持病の悪化により、冬季は生活にも支障が出ていた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画されていたものを遂行するとともに、関連するテーマにも積極的に取り組む。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染防止対策により海外旅行が予定どおりにできなかった。また持病のが冬季に悪化し、予定通りの研究活動ができなかった。前者については状況が改善されており、旅費としての使用を計画している。後者についてはなるべく症状の軽い夏季に研究を集中させることを計画している。
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