2021 Fiscal Year Research-status Report
Surface group representations and geometry of negative curvature
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20K03610
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 伸平 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (40822870)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 曲面群の表現 / 双曲幾何学 / 指標多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
曲面群と負曲率の幾何に関連した以下に述べる2つの結果を得た。これらを論文にまとめ,プレプリントとしてarXiv上で一般に公開した。また,これらの結果を研究集会などで講演した。 まず3次元の多様体の分類において,双曲多様体を理解することは重要である。3次元のgeometrically finiteな双曲多様体は,理想境界のRiemann面の構造によってパラメラー付されることがよく知られている。これに類似したパラメター付を、双曲多様体のconvex core上のmeasured laminationによりできるという予想が未解決問題であるBonahonとOtalはこの予想の解決向けて,大きな貢献をしている。本年度の研究で大鹿健一氏との共同研究に別の視点から,より位相幾何学的なアプローチを与えた。特により一般のgeometrically infiniteな曲面群に既存の結果を拡張させた。 次にRiemann面上の2次正則微分の空間は、有限次元の複素ベクトル空間をなす。このベクトル空間は,対応する複素射影構造のホロノミーにより,基本群のP S L(2, C)への表現空間,つまりP S L(2,C)指標多様体に真に解析的に埋め込まれている。この像はPoincare Holonomy Variety またはsl(2,C)-operと呼ばれ,双曲幾何学などの関係から重要な複素解析的部分多様体である。私は,このholonomy varieties類似をThurstonによる複素射影構造のパラメター付の観点からP S L(2,C)指標多様体に構成した。また,Thurston のパラメター付は実解析的な部分多様体を与えることから,これの複素化を行った。そのために曲面群のP S L(2,C)の直積への表現のbending変形を導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
双曲幾何学と曲面の表現の関係に関して,新たな視点を与える結果を複数得て,論文にまとめることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
曲面の基本群のLi群への表現,双曲幾何学に関して,新しい観点から理解を一層深める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で,海外出張を含め,対面の研究集会参加を行うことがほとんどできなかったため。
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