2021 Fiscal Year Research-status Report
写像類群を用いたシンプレクティック4次元多様体の研究
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20K03613
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
門田 直之 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (60611986)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Lefschetz fibration |
Outline of Annual Research Achievements |
4次元多様体の研究の流れの1つとして, 多種多様な例を構成することで全体像を予想していくというものがある. また, 4次元多様体において, シンプレクティック構造とレフシェッツファイバー空間の構造はほぼ同値であることが知られている. この背景に基づき, 申請者は様々なレフシェッツファイバー空間の例を構成してきた. また, 新たなレフシェッツファイバー空間の構成法の1つとして, ファイバー和という操作がある. これまでの研究において, 任意の群を基本群としてもち, Noether不等式を満たさないようなレフシェッツファイバー空間の構成を行ってきた. 当該年度ではそれらのレフシェッツファイバー空間がある条件を満たせば, ファイバー和として分解できないことを示した. 結果として, 全空間が極小でファイバー和として分解不可能なレフシェッツファイバー空間の例を無限個構成した. 特に, それらのモノドロミーは具体的に与えられており, 有限個ではあるが全空間が単連結な例も構成できた. 申請者が知る限り, このような例は見つかっていなかったため, レフシェッツファイバー空間の全体像に新たな観点を与えたと考えられる. この研究に加えて, 有理曲面のblow-upがレフシェッツファイバー空間の構造を持つときの, blow-upの回数, 有理曲面の種数, レフシェッツファイバー空間の種数の関係を与えた. ただし, 有理曲面とレフシェッツファイバー空間の種数にある条件を満たすことが必要で, その条件を外すと未だ謎の謎の部分がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した通り, これまでに構成してきた例がファイバー和分解不可能であることを証明できたため, おおむね順調に進展しているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
Lefschetz fibrationの新たな例の構成については順調に遂行できたため, これからは新たな例を構成するための多様体の手術の開発に進みたい. そのためには, 写像類群の新たな関係式の開発が必要となるため, 写像類群の研究に重点を置く.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により, 予定していた国内出張や海外出張をすべてキャンセルしたことにより, 次年度使用額が生じた. 新型コロナウイルスの状況にもよるが, なるべく出張を増やしたい.
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