2023 Fiscal Year Research-status Report
Determinantal structures in the integrable probability
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20K03626
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今村 卓史 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (70538280)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Kardar-Parisi-Zhangクラス / 確率論 / 可積分系 |
Outline of Annual Research Achievements |
確率過程や統計物理学で興味を持たれている1次元Kardar-Parisi-Zhangクラスに属する,相互作用する粒子モデルや有向ポリマーモデルに関して研究を行った.特に量子可積分系と関係する特別な代数構造をもつKPZモデルに対して,組み合わせ論,対称関数,ベーテ仮説等の手法を用いて,分布関数等の具体形を明らかにすることが目標である.2023年度において,私はKPZモデルと行列式およびパフィアン点過程を直接結びつける組み合わせ論的な公式を得た.具体的には対称関数,クリスタル,表現論の手法を駆使して組み合わせ論的対象物の1対1対応を示すことによりqWhittaker測度と周期的Schur測度の周辺分布に関する関係式を得た.qWhittaker測度は様々なKPZモデルの揺らぎを記述できることが知られている.周期的Schur測度は行列式点過程のモデルである.したがってこの関係式を用いて,KPZモデルの揺らぎを行列式点過程を用いて調べることができる.さらにこの関係を,半空間上のKPZモデルの分布関数の解析に応用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KPZモデルを記述する確率測度と行列式点過程を記述する確率測度を直積結びつける研究は数年前から行っていて,さらなる関係式の発見を目指していて,昨年度に重要な着想は得られたが,未だに論文の投稿まで至っていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
とにかく与えられた時間の中で研究に集中できる状況を少しでも長く持続させることが第一である.機会があればバイアウトなども積極的に利用したい.共同研究者や周りにいる学生や若手研究者と定期的に会ってなるべく長く議論したい.研究会を主宰しKPZモデルに関心がある国内外の研究者の講演や,彼らとの議論から研究のヒントを得たい.
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Causes of Carryover |
今年度は出張も行くことができ有効に科研費を使用させていただきましたが,コロナ禍で停滞してしまった分をすべて取り戻すことができず次年度使用額が生じました.次年度は国際会議に参加するだけでなく,国際会議を主催したいのでそのための費用として使用させていただきたいです.
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