2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K03630
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
縄田 紀夫 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (90614040)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Razak-Jacelon環 / 従順群作用 / Kirchberg-Phillips型吸収定理 / 中心列C*-環 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はRazak-Jacelon環というKK可縮単純C*-環への従順群作用についての研究を行った. 特に, Razak-Jacelon環への従順群作用に関するKirchberg-Phillips型吸収定理を証明することができた. 具体的には, ただ一つのトレイス状態を持つ可分核型単純C*-環への強外部従順群作用とRazak-Jacelon環への自明作用のテンソル積型作用はコサイクル共役の意味で一意であることを示した. Razak-Jacelon環への幅広いクラスの従順群作用が互いにコサイクル共役であることを示したということである. この結果はRazak-Jacelon環とただ一つのトレイス状態を持つ可分核型単純C*-環のテンソル積はRazak-Jacelon環と同型であることの同変版と考えることもできる. 実際, 2020年度の研究で得たRazak-Jacelon環の中心列C*-環による特徴づけの結果の同変版を考えることがKirchberg-Phillips型吸収定理の証明の核になる. 具体的には, Razak-Jacelon環への強外部従順群作用に対して, 中心列C*-環の固定部分環が射影の比較定理をみたすならばテンソル積型作用とコサイクル共役になることを示した.
一般に強外部的ではない外部テンソル積型従順群作用も中心列C*-環の固定部分環が射影の比較定理をみたすという結果も2021年度の研究で得た. この結果は, 強外部的ではない外部テンソル積型従順群作用に有用であると思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Razak-Jacelon環への従順群作用に関するKirchberg-Phillips型吸収定理を証明できたので, 順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
Razak-Jacelon環への強外部的でない外部テンソル積型作用の分類について研究する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって国内および国外の研究集会が中止になったために予定していた旅費を使用できなかったので次年度使用額が生じた.
延期された国内および国外の研究集会への参加旅費や研究に関する書籍購入等で使用する予定である.
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