2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03630
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
縄田 紀夫 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (90614040)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Razak-Jacelon環 / 有限群作用 / Rohlin性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は, Razak-Jacelon環への有限abel群作用の研究を主に行った. 特に, 強外部的ではない外部的作用について研究した.
有限abel群を含む可算離散従順群でRazak-Jacelon環へのテンソル積型強外部的作用はコサイクル共役の意味で一意的である(2021年度の本研究で得られた成果)一方, 非可算無限個の互いにコサイクル共役でない(強外部的でない)テンソル積型外部的作用が存在することが以前の研究からわかっていた. また, (有限)C*-環への群作用の分類で強外部的ではない外部的作用の分類は帰納極限の構造を利用した作用の分類結果以外はほとんど得られていないという状況であった.
2022年度に行った研究で, Razak-Jacelon環へのテンソル積型有限abel群作用の双対作用のRohlin性をJonesによって定義されたII_1型因子環への群作用の特性不変量で特徴づけることができた. この結果とRohlin性を持つ有限群作用の分類結果を使って, Razak-Jacelon環への強外部的でない作用を含むテンソル積型有限abel群外部的作用の一部の分類に成功した. この分類は帰納極限の構造を使わない抽象的な分類である. また, この分類の不変量はJonesによる超有限II_1型因子環への有限群作用の分類で使われたものとまったく同じである.この結果より, Razak-Jacelon環はC*-環における超有限II_1型因子環の類似物と考えることもできる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強外部的でない外部的作用の分類結果を得ることができたから.
|
Strategy for Future Research Activity |
群作用に関しては, 有限abel群以外の従順群に対して一般化できないかということを研究する. また, Razak-Jacelon環やstably projectionless C*-環の群作用以外の構造について研究する.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で主に海外出張の旅費を使用できなったために次年度使用額が生じた. 海外への出張旅費や研究に関する書籍・物品等で使用する予定である.
|
Research Products
(4 results)