2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03633
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
野田 尚廣 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10596555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 一博 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00569832)
北川 友美子 大分工業高等専門学校, 一般科理系, 准教授 (40403323)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 微分式系の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、Monge、Lie、Darboux、Goursat、E. Cartan等による古典的研究に端を発し、RB. Gardner、RL. Bryant、PA. Griffiths、田中昇、森本徹、山口佳三等によるその現代的解釈を通して伝統的に構築されてきた、(外)微分式系の理論ならびに微分方程式の接触幾何学を基本的な観点として、いまだ不明瞭な事柄が多く、今後の発展性が見込まれる以下の2つの課題に取り組むことにある: (A) 微分方程式系に作用する変換群の制限(摂動)に伴う各種対応関係の解明 (B) 微分方程式系の簡約化理論の進化に伴う(厳密)解の求積論展開 下記の[現在までの進捗状況]欄にも記したように、ここ数年コロナ禍の影響により、研究計画が遅れてきたが、本年度は5類感染症への移行もあいまって、研究時間を一定程度確保することができ、その時間を活用して研究に励んだ。特に課題(B)についての研究に時間を割き、常微分方程式系への簡約化が可能となる、より一般的な偏微分方程式系のクラスを発掘すべく、考察を行った。その結果、興味深い偏微分方程式系と簡約常微分方程式系のモデルを見つけることができた。今後はこのモデルに理論的背景も加えた上で、得られた結果をまとめていきたい。 課題(A)については不透明な事柄も多く、方針も定まらないでいるが、(制限を加えない)一般の接触変換群の作用のもとで、いくつかの方程式系についての分析・再考を通して、比較・検討を行い、何か進展が得られるよう努めていきたい。上記に加えて、本研究課題の先行研究であった、3階の偏微分方程式系の接触幾何学における基礎付けを記した、論文を無事出版することができた。ここでのアイデアも、本研究課題を遂行する上で応用可能と考えられるため、様々な研究対象間の相互作用も視野に入れ、研究に励んでいきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ここ数年、新型コロナウイルス感染症対策(学内における種々の教育方法の実施)に時間をとられてきたが、5類感染症への移行に伴い、落ち着きも取り戻し、本年度は一定程度の研究時間を確保することができた。来年度も、これまでの遅れを挽回すべく、活発に活動していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も今年度同様に、研究活動の実施状況を、コロナ禍以前と同水準のレベルにしたい。 その意味で、研究遂行に直結する対面での打ち合わせが重要であり、可能な範囲で出張したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、初年度からの余剰金が逐次発生している。上記の[今後の研究の推進方策]欄にも記したように、来年度は研究分担者ならびに研究協力者との対面における研究討論に役立てたいと考えている。
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