2021 Fiscal Year Research-status Report
Research of higher order Painleve systems and rigid systems from a viewpoint of representation theory
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20K03645
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
鈴木 貴雄 近畿大学, 理工学部, 准教授 (60527208)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガルニエ系 / パンルヴェ方程式 / 超幾何関数 / 離散可積分系 / ワイル群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に次の二つの成果を得た. (a) 昨年度の研究では,拡大された可約アフィン・ワイル群の双有理表現のラックス形式が得られ,これによりq-ガルニエ系の一般化が系統的に定式化された.本年度はこの結果についての論文をまとめ,Math. Phys. Anal. Geom.誌に投稿し掲載された.また2021年9月の日本数学会や2022年3月のジョージア大学(アメリカ合衆国)での国際会議において,オンライン講演による研究発表を行った. (b) 研究代表者や長尾・山田による先行研究において,q-ガルニエ系はハイネのq-超幾何級数の比によって記述される特殊解を持つことが明らかにされていた.これと上記(a)の結果を組み合わせることで,拡大アフィン・ワイル群のq-超幾何級数への作用を具体的に記述することに成功した.具体的には,まずq-ガルニエ系の由来となる拡大アフィン・ワイル群において,極大な部分群で超幾何関数解の条件と両立するものを求め,その双有理表現の解関数への作用からq-超幾何級数への線形作用を導出し,得られた結果を正方行列を用いて系統的に記述した.これにより,q-超幾何級数の満たす線形差分方程式や昇降演算子の作用などが,すべてワイル群の平行移動変換として理解できるようになった. (b)の成果については,指導院生との共著論文として発表予定であり,現在論文準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長年の懸念事項であった,一般化q-ガルニエ系の超幾何関数解に対するアフィン・ワイル群作用に関する問題を解決することができた.しかしながら,コロナウィルスの影響が昨年度より小さくなったとはいえ,研究協力者とのディスカッションが十分に行えない状況に変わりはなく,単年度での成果としては十分だと思われるが,昨年度の遅れを取り戻すまでには至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,本年度に得られた結果をなるべく早く論文にまとめて発表し,国内外の研究集会等において口頭発表を行いたい.それと並行して,q-超幾何級数へのワイル群の作用を記述する際に用いた行列が,昨年度に得られたラックス形式,あるいはクラスター代数の理論とどのように関係するのかを明らかにしたい.また今回得られた結果の拡張・一般化や連続極限についても調べ,更には特殊値問題への応用の可能性についても探りたい.
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Causes of Carryover |
出張を予定していた学会や研究集会が中止または出張できない状況となったため.次年度は研究発表や情報収集のための出張を行える予定である.また現在PCを1台既に発注しており,更にタブレットを1台購入予定である.
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Research Products
(4 results)