2022 Fiscal Year Research-status Report
無限次元ユニタリ群に関連したPolish群の総合的研究
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20K03647
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 浩志 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (40767266)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Polish群 / C*環 / Lie群 |
Outline of Annual Research Achievements |
Michal Doucha氏との単位的可分C*環のユニタリー群、自己同型群に関する共同研究を継続し、以下の結果を得た。 (1) Aを単位的可分C*環, Iを閉両側イデアル, とする。U_AでAのユニタリー群の単位元の連結成分を表す。このとき前年度のperfectイデアルに関する結果を応用して、U_Aの閉正規部分群Nに対して、あるperfectイデアルIが存在しU_Iのcommutator subgroupの閉包をCU_I, N_IをU_Aの要素uで(u,U_A)(U_Aの元とuとのcommutatorのclosure)がU_Iに含まれるものからなる群とすると、CU_I⊆H⊆N_Iを満たし、逆にこのようなHはU_Aの閉正規部分群である事を示した。 (2) U_Aに属する要素からなる内部自己同型で各点収束位相で近似されるAの自己同型全体をV_Aとあらわさす。同様にV_IをIのunitizationに対して定義する。このときA, I の中心列と二重超積を考察することでAからA/Iへの自然な全射PはV_A/V_IとV_{A/I}の位相群同型を導くことを示した。証明の各所で可分性が必要なため、可分性の仮定を落とすことができるか現在考察している。 Andreas Thom氏と以下の研究を行い、いくつか中間的成果を得た。 群Gと部分群Hに対して、しばしばGの部分集合Aでcommon transversal, Aが同時にGの右Hコセットの代表系かつGの左Hコセットの代表系となるようにできる場合がある。有限群の場合はこれはHallの定理の帰結であるが、無限群の場合一般にはHNN拡大などで容易にcommon transversalが存在しない群のペアを見つける事ができる。今回Gが位相群, Hが閉部分群である場合にどのような条件下でBorel集合をcommon transversalとして取ることができる場合があるかを研究しいくつかの十分条件を発見した(現在論文を準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りすべて進行しているわけではないが、Doucha氏との共同研究は昨年度の成果を活かして新たな知見が得られている。 今年度はThom氏とのBorel common transversalの研究など予想外の方向でも成果が得られており、新たな研究の方向性が見つかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きU_Aの閉正規部分群の構造について研究を進めるとともにこれを群Gのreduced群C*環C*_r(G)のG-invariant subalgebraの構造研究に応用することを目指す。Common transversalの存在はある種のPolish群のカテゴリーでは適当なindex conditionの成立が必要十分かもしれないと推測している。index conditionは必要条件である事は間違いなく、一般のPolish群/compact群のペアでは成り立たない例も見つかったが依然として謎が多い。コンパクトLie群とコンパクト群の間の微妙な差が影響しているのではないかと考えている。今後Lie群の構造を利用した議論からindex conditionにつじて調べていきたい。
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Causes of Carryover |
予定していた松澤氏との打ち合わせを諸事情でキャンセルしたため。 次年度で再び予定を調整する。
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