2020 Fiscal Year Research-status Report
Application of Newton polyhedra in various kinds of analysis
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20K03656
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神本 丈 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (90301374)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ニュートン多面体 / ベルグマン核 / 振動積分 / 局所ゼータ関数 / 特異点解消定理 / 代数曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、ニュートン多面体を用いた解析で成果となった研究は、無限型実超曲面における問題に関するものである。無限型実超曲面に非常に強く接するような曲線が存在するか?という問題は、ディーバー・ノイマン問題などの深い問題と関連があり、素朴ではあるものの重要な問題であることが認識されているのだが、私の研究以前では、具体的な反例という形の結果しか得られていなかった。今年度の私の研究により、一般的にある種の十分条件が与えらえれ、さらに、条件が付くものの、必要十分条件が得らえた。すでに、この研究は、電子的に出版され、アクセスの数も1000を超えるほど、注目を集めている。 さらに、代数幾何学などで重要な特異点解消定理に類似する定理を、無限回可微分関数のクラスに関して、考察した.平面曲線の理論とコンパクトリーマン面の理論は、数学の常識と言ってよいほど、幾何学や代数学ではよく研究されてきた研究対象である。私は、この理論を無限回可微分実関数の零集合に関して、自然に応用することを試みた。実際に、ブローアップを有限回繰り返すことにより、結果として正規交叉に近い形に関数を表示することに成功した。その際に、作られる多様体は、非常にきれいな性質をもっている。 この成果を、局所ゼータ関数の解析接続に関する問題に応用した。すでに、この数年で得られた成果として、無限回可微分関数に関する局所ゼータ関数に関しては、必ずしも、有理型関数として、複素平面全体に解析接続されないことが、福岡工業大学の野瀬敏洋氏との共同研究において示されていたわけであるが、どのくらいまで、有理型関数として、解析接続されるかは、まだ全くわかっていなかった。上でえられた、特異点解消を用いることにより、解析接続される領域に関して、かなり詳しい成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大の危機のため、自宅で研究をする時間が増えたため、じっくりと、特異点解消定理のような基本的な問題を考えることが可能となり、かなり研究をすすめることができた。しかしながら、逆に他の研究者との交流が、充実したものでなくなったため、刺激が得られなかったため、斬新な研究のアイデアが得られたとは言い難い。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、特異点解消定理の無限回可微分可能関数のクラスへの発展を試みると同時に、定量的な量を取り出すために、ニュートン多面体を用いた特異点解消定理の理論を推し進める予定である。 解析的には、多変数複素解析学においては、ベルグマン核、セゲー核の漸近解析、ピーク函数の構成などに、上の成果が反映されるはずであるので、それを実行したい。また、振動積分や局所ゼータ関数の漸近解析に関しても、すでに多くの成果を得ているので、それを論文にまとめるつもりでいる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス蔓延の影響で、当初考えていた研究集会への参加や打ち合わせなどにあてる予算を使用できなかったため。今年度も、このような状況が続く場合には、対面でおこなうことのできない人的な交流をオンライン環境の整備などを充実させることにより、研究をより前向きに遂行したいと考えており、そのために研究費を使用したいと考えている。
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Research Products
(6 results)