2020 Fiscal Year Research-status Report
多次元のウェーブレットによる多重方向解析と、多次元の波動方程式への応用
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20K03690
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木下 保 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90301077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊夫 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 助教 (30807566)
久保 隆徹 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (90424811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関数方程式論 / ウェーブレット / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、主に以下のように偏微分方程式とウェーブレットおよびラドン変換に関連する研究を行った。 ◎偏微分方程式について:変数係数に持つ波動タイプの偏微分方程式に対する初期値問題の解の表現公式について、これまでの自身の研究の一般化を試み、部分的な結果をいくつも積み重ねながら研究を続けている。また初期値問題の適切性に関して、条件をウェーブレット理論で特徴付けをした興味深い結果を得ることもできたが、改良の余地があるためさらなる一般化の研究も進めている。 ◎ウェーブレットについて:正規直交基底は理想的であるが、その構成には強い条件が必要となる。一方、フレームは冗長性があるものの比較的構成しやすいメリットがある。2次元の画像解析では、正規直交基底であるウェーブレットの直積タイプを用いた展開式だけでなく、CurveletやShearletといったパーセヴァルフレームを用いた展開式も利用されている。前年度までに構成した角度方向を重視したフレームの改良をしたり、双対フレームも導入して精度の向上に努めた。特に、周波数空間においてより滑らかなフレームを構成することで、展開式が角度方向に鮮明になることを数値シミュレーションで確認した。Hardy空間上のウェーブレットの研究も始めたので、L^2空間上のウェーブレットとの違いを十分吟味しながら、性質の良い具体例を構成している。 ◎ラドン変換について:ラドン変換とウェーブレット変換を組み合わせた応用的に意義のあるリッジレット変換の研究を続けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題名にある多次元のウェーブレットに関しては2次元の場合に研究を進めたが、多次元の波動方程式の研究まではあまり進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの影響で業務が増え、研究にあまり時間がとれなかったが、研究時間をとにかく確保するように努める。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で、旅費を使用する機会がなかった。予定よりも優れた計算処理能力を持つコンピュータの購入に使用する計画である。
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