2023 Fiscal Year Research-status Report
Traveling fronts whose cross sections are convex shapes with major axes and minor axes in balanced bistable reaction-diffusion equations
Project/Area Number |
20K03702
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷口 雅治 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (30260623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 広和 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (90251610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 進行波 / 全域解 / 反応拡散方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
双安定な非線形反応項をもつ拡散方程式において,進行波解を研究することが本研究の目的である。反応項がbalanced型である場合と imbalanced型である場合に分けて研究を行っている。前者の代表例はAllen--Cahn方程式(balanced型)であり後者の代表例はNagumo方程式である。 balanced型である場合,円または球を切断面とする進行波の存在が,Chen, Guo, Ninomiya, Hamel and Roquejoffre (2007), Taniguchi (2020)によって示された。長軸と短軸の比率を任意に与えた凸図形を切断面とする進行波が存在することが Taniguchi (2019)により証明された。長軸と短軸を任意に与えた凸図形を切断面とする軸非対称進行波の存在を本研究で証明することに成功した。またこの軸対称進行波と軸非対称進行波において,速度を無限大とする極限をとると全域解(entire solutions)に収束することが証明された。前者は球面対称全域解,後者は球面非対称全域解となる。球面非対称全域解は,平均曲率流におけるAngenent's Ovalと呼ばれる太古解(ancient solutions)に対応している。以上の成果は,学術雑誌 Mathematische Annalenに掲載受理された。 imbalanced型である場合,n次元進行波が,その速度を無限大とする極限において(n-1)次元全域解に収束することの証明に成功した。この応用として,角錐型進行波(pyramidal traveling fronts)が極限として多面体型全域解(polyhedral entire solutions)に収束することの証明に成功し,その成果を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
双安定な非線形反応項をもつ拡散方程式において,進行波解を研究することが本研究の目的である。その代表例は Allen--Cahn方程式(balanced型)である。長軸と短軸を任意に与えた凸図形を切断面とする軸非対称進行波の存在を本研究で証明することに成功した。 またこの軸非対称進行波において,ある極限をとると全域解に収束することが証明された。この全域解は,平均曲率流におけるAngenent's Ovalに対応している。以上の成果は学術雑誌 Mathematische Annalenに2024年3月に掲載受理された。 上記の結果が得られたことにより,本研究は当初の計画以上に進展していることを報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
双安定な非線形反応項をもつ拡散方程式において,進行波解を研究することが本研究の目的である。とくに Allen--Cahn方程式(balanced型)において,進行軸に対して非対称な形状をもつ進行波が存在するを証明し,この進行波がある極限をとることにより球面非対称全域解に収束することが証明された。またAllen--Cahn方程式(imbalanced型)においては,角錐型進行波の極限として,多面体型全域解の存在証明に成功した。 上記の進行波解と全域解の性質をくわしく調べることが今後の研究対象である。
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Causes of Carryover |
当初の計画以上に研究が進展し,本研究課題についてより詳細な研究が必要となったため。
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