2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K03721
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
古澤 仁 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (00357930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 聡 公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 准教授 (00455437)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 関係 / 位相空間 / 各点連続 / 点列連続 / 構成的数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,位相空間論における連続関係の基礎理論の構築を目的とする.関係の連続性の概念は分野ごとの利用目的に応じていくつも提案されてきているが,これらに関する一般の位相空間論的観点からの系統的な研究は,ごく一部の概念に関するものを除いてなされていない.ここでは,敢えて特定の目的によらず,中立的な観点から考えられる定義を形式的・機械的にすべて洗い出し,それぞれの分野に現れる連続性の概念を包含したより一般的な理論を構築することにより,関係の連続性の統一的で系統的な理解を目指す. 関係は非決定的振る舞いを数学的に取り扱うための最も基本的な道具である.関係の連続性の統一的で系統的な理解を目指す本研究は,位相空間の間の非決定性理論の基盤構築と位置づけられ,連続関係の概念を基礎とする数学の展開に繋がることが期待される. 研究全体をとおして,通常の数学と構成的数学の2つの立場から取り組む.構成的数学からの取り組みは通常の数学からの取り組みにより与えられる事実が構成的か非構成的かを明確にする.また,構成的数学は通常の数学の部分体系であるため,一般性の高い理論の構築が可能になる. 今年度は,昨年度に引き続き,研究代表者と研究分担者が2019年に共同で執筆した紀要論文 A note on continuity properties of relations (鹿児島大学理学部紀要第52号pp1-6) について構成的数学の立場から検討した.上記紀要論文では,一般の位相空間論の立場から関係の連続性に関する6つの条件を与え,これらが通常の数学においては同値であることを示した.昨年度の検討の結果,構成的数学においては同値性が崩れることがわかり,それを主要な結果とする論文を執筆・投稿した.また,Berge の上半連続性の概念を一般化し,これと同値な条件を5つ与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の遅れの影響.様々な工夫をした結果,今年度は昨年度よりも進展があったが,昨年度の遅れを取り戻せるほどではなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様に新型コロナウィルスの影響を軽減するための工夫を継続しつつ研究を進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で人の往来が制限されたため.感染の広がり具合を見定めつつ,状況が許す範囲で海外の研究者との情報交換のために使用する予定である.
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Research Products
(2 results)