2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K03723
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤沢 潤 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (00516099)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 完全マッチング / ハミルトンサイクル / 位相幾何学的グラフ理論 / 因子問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下、本年度に得られた研究成果について列挙する。 1)本研究の開始以前に、グラフのマッチング拡張性の研究を一般化した、完全マッチングに関するremovableグラフについての研究を行っており、閉曲面上の5-連結三角形分割における河原林-Plummer-小関の定理を一般化した定理が示されていた。本年度の研究では、閉曲面上のグラフにおける新しい距離条件を導入することにより、上記の定理を三角形分割ではない一般の閉曲面上の5-連結グラフに拡張することに成功した。既存の距離条件を用いたマッチング拡張性の研究ではこの「三角形分割」という条件を取り除くことができなかったが、本研究によってその状況が打開された。 2)平面グラフにおいて、ハミルトンサイクルの存在に関するremovableグラフについて調査した。その結果、平面グラフのマッチング拡張性に関するPlummerの定理に対応する結果が得られた。また、5-連結平面グラフに関して同様の調査を行った結果、完全マッチングに関するremovableグラフとは対照的となる知見が得られた。 3)閉曲面上のグラフにおけるハミルトンサイクルの存在に関して調査した。その結果、独立数とハミルトンサイクルの存在との関連について知見が得られた。得られた知見を、内周が大きいグラフに適用すべく、現在研究が進行中である。 上記2),3)は萌芽的な結果であるが、新しい切り口からの研究となっており、次年度以降の研究につながることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により、国内外の他研究者との共同研究・情報交換が非常に難しい状況であった。そのような環境下であったことを踏まえると、次年度以降の研究の展開に向けて申し分のない研究成果が得られたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
興味深い知見がいくつか得られたものの、それらは本研究の本筋から若干ながら逸れたものとなっている。本筋を強く意識しながら研究を進めるか、現在の研究の流れに沿うか、どちらがより良い成果に結びつくかを見極めながら次年度以降の研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で、国内外の学会への参加・他研究者との共同研究が行えなかったため次年度使用額が発生した。新型コロナウィルス感染症の流行が収束し次第、積極的に学会参加・共同研究を行う予定である。
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Research Products
(4 results)