2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K03726
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
奈良 知惠 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 研究推進員(客員研究員) (40147898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 仁一 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 剛性 / 平坦折りたたみ / 正多面体 / 正多胞体 / リンケージ / 2次元スケルトン / 連続的折りたたみ |
Outline of Annual Research Achievements |
①研究代表者と分担者との研究交流:COVIT-19のためにZoomを活用して長時間討論を実施し,正24胞体に関する論文をJournal Geometryに投稿し受理され,出版された。対面での研究交流は持ち越しとなった。 ②共同研究者との研究交流:Erik Demaine氏との共著論文が専門誌より出版された。2021年度も彼の主催する離散幾何学ワークショップにZommにて参加予定である。松原和樹氏とも共同研究討論会をZoomにて集中的に実施し,剛性辺を指定した連続的折りたたみに関する2本の論文が専門誌から出版された。 ③国際研究集会等での研究発表:JCDCGGG2020(タイ,チェンマイ)で予定されていた研究集会は2021年8月に延期されたので、そこでの発表の準備を進めている。国内研究集会では日本応用数学会年会(9月)および連合研究発表会(3月)において連続的折りたたみに関する研究発表を行った。日本折紙学会の年会2020年12月においても研究発表を行った。文科省現象数理学拠点MIMS共同研究集会を組織委員長としてZoomにて実施し、Erik Demaineを含む多数の研究者と交流した。3月には,直観幾何学研究会にて講演した。 ④論文作成と専門誌への投稿:5本の論文が専門誌より出版された。4次元正多胞体の2次元スケルトンの連続的折りたたみについて,超立方体と正24胞体について解決し,2本の論文とした。内部折りたたみに関するものと多層ピラミッドの折りたたみについて2本の論文が出版された。帯の平坦折りに関する計算幾何学の問題を解決し,論文1本が出版された。4次元正多胞体の1つである24胞体について論文を投稿した。 ⑤一般向け講演:3月に明治大学ブランディング事業シンポジウムにて折りたたみの幾何学を中心に講演した。⑥企業との共同研究:折り畳み式製品について缶の折りたたみの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①剛性条件付きの連続的平坦折りたたみ問題に関して,三角筒や四面体の内部に制限した連続的平坦折りたたみ問題を解決し,専門誌Graphs and Combinatoricsより論文が出版された(松原氏との共同研究)。さらに,複層型ピラミッドに関して,傘の外骨に相当するラジアル辺を剛性に保つ連続的折りたたみを解決し,J. Information Processingより論文が出版された(松原氏との共同研究)。 ②高次元の正多面体の2次元スケルトンに関する連続的平坦折りたたみ問題について、超立方体の場合を解決し,Graphs and Combinatoricsより論文が出版された(伊藤仁一氏との共同研究)。また,4次元だけに存在する3種類の正多胞体の一つである正24胞体の2次元スケルトンに関して,建築家のバックミンスター・フラーが提唱したジターバグと同様の動きを取り入れて,連続的平坦折りたたみ問題を解決し,Journal Geomeryより論文が受理された(伊藤氏との共同研究)。 ③多面体の連続的平坦折りたたみ問題に関して,凸とは限らない多面体についての研究をMITの研究者たち(Erik Demaine ら)と続行し、論文を投稿することができた。そこでは,平坦折りたたみ状態に条件付き可算無限個の折り目を許容するという新しい概念を導入している。2001年に提案されたこの問題をある意味で全面的に解決したことになる。 ④平面に山谷付き折り目が描かれた設計図に関して,多項式計算量の折りたたみ可能判定問題がある。長方形型の帯に端の辺と平行な折り目について,多項式時間で判定できるアルゴリズムが知られていた。これを端の辺に平行とは限らない角度のある平行な折り目に関して多項式時間のアルゴリズムを求め,論文がJ. Information Processingより出版された(伊藤大雄氏らとの共同研究)。
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Strategy for Future Research Activity |
①専門書および専門雑誌による資料の収集と研究の深化:離散幾何学および情報幾何学関係の最新の情報を入手して研究課題全般の解決手法・成果の発信を具体化する。 ②研究代表者と分担者との研究交流:COVIT-19の状況を見ながら対面での討論を実施する.また,メールやZoomを活用による討論を定期的に実施し,4次元の正多胞体の2次元スケルトンの連続的平坦折りたたみ問題に取り組む。 ②共同研究者との研究交流:Erik Demaine氏が主宰する2021年度離散幾何学ワークショップにZommにて参加し,昨年度に引き続き,剛性条件に関するリンケージの問題に取り組む。松原和樹氏と共同研究討論をZoomにて集中的に実施し,正多面体の剛性辺数を最大にする連続的平坦折りたたみ問題に取り組む。 ③国際研究集会等での研究発表:Briges 2021(スェーデン,8月)において、「平坦化可能な周期的スポンジ表面」の研究成果を発表する(小林祐貴氏との共同研究)。また,JCDCGGG2020+(8月,タイ,チェンマイ)において究発表をする。国内研究集会については日本数学会秋季総合分科会(9月)日本折紙学会(12月),連合研究発表会(3月),直観幾何学研究会(3月)において研究発表を行う。さらに,共同研究集会(例えば,明治大MIMS)にて研究発表を行う。 ④論文作成と専門誌への投稿:Bridges 2021およびJCDCGGG2020+のプロシーディングスに投稿する。4次元正多胞体の1つである正600胞体について2次元スケルトンの連続的平坦折りたたみの手法を開発する。 ⑤一般向け講演および執筆:文科省現象数理学拠点MIMS共同研究集会を組織委員長としてZoomにて実施する。連続的平坦折りたたみ問題について月刊誌数学セミナーへ投稿する。さらに,企業との共同研究として折り畳み式製品について,缶の折りたたみの検討を行う。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)COVID-19の影響により、国内外への出張が困難となったため旅費の支出がゼロであったことが主な理由である。国際研究集会(TJCDCGGG 2020)は2021年度に延期された。アメリカのMITの共同研究者(Erik Demaineら)を訪問しての共同研究も2021年度に延期せざるを得なかった。ルーマニアの共同研究者(C. Vilcuら)が主宰するコンファレンスもキャンセルとなった。国内での研究集会への参加および共同研究者(伊藤仁一氏)との討論はzoomで実施し,対面での討論は2021年度へ持ち越しとなった。 (使用計画)対面式による直接討論はアイデアを生み出す原動力として非常に重要である。2021年度はコロナ感染症が収束すると見込まれるので,MIT訪問および Bridges 2021(スェーデン)への参加を予定している。共同研究者(伊藤仁一氏)とも頻繁に対面式の研究討論をする予定である。これらを実施するための旅費に充当する予定である。 近年、論文がオープンアクセスで出版される傾向がある。論文が引用されやすいことや著作権が著者に残るというメリットが大きい。そこで、J.Geometryに受理された論文はオープンアクセスにしたのでその出費が今年度に生じる。今後もオープンアクセスによる論文の出版を積極的に検討したい。
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Research Products
(12 results)