2023 Fiscal Year Research-status Report
Application of algebraic combinatorics and information geometry to spherically-uniform arrangement of sample points for the method of fundamental solutions
Project/Area Number |
20K03729
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中口 悦史 大阪大学, スチューデント・ライフサイクルサポートセンター, 教授 (70304011)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 偏微分方程式の数値解法 / 代用電荷法(基本解法) / 均等配置と最適性 / 整面凸多面体 / 球面ドロネー分割 / 球面ボロノイ図 / トムソン問題 / タメスの問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元ラプラス方程式の単位球面境界値問題に対する代用電荷法として,球面に標本点を配置(電荷点と拘束点を同相配置)した場合の,配置の対称性・均等性と,解法に現れる連立一次方程式の係数行列の固有値分布との関係についての検討を引き続き進めているが,いまだ成果公表には至っていない。 上の連立一次方程式の係数は,球面上の標本点間距離の関数となるため,標本点間距離を成分とする正方行列の固有値分布,特に重複固有値の重複ほぐれについての情報が得られれば,方程式の係数行列の固有値分布についても有益な情報が得られると考えられる。球面上の標本点間距離の最小値を最大化する問題はタメスの問題としても知られているほか,球面上の標本点配置の問題は,代数的組合せにおける球面コードの問題や,全静電エネルギーに関するトムソン問題とも深く関係する。また,球面上の標本点の隣接関係は,標本点集合の凸包から得られる球面ドロネー分割によって知ることができるため,球面ドロネー分割や球面ボロノイ図も,標本点配置の均等性を調べるのに有用と考えられる。当年度は,これらに関することについて,球面上の点集合の凸包として得られる凸多面体のほか,既知の規則的な配置法として格子状配置に基づく方法やらせん状配置法などに関する調査を進めた。並行して,上述のような点集合の特徴量計算のPythonプログラミングによる実装を進めた。 また,これらの途中経過について,学内研究会で講演し,参加者と意見交換を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度中に変更になった所属研究機関において,本格的に担当業務に追われることとなり,当該研究課題遂行のエフォートは改善したものの,それ以前の進捗遅れを取り戻すには至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
球面上の標本点配置として整面凸多面体配置,格子状配置から調整した配置,らせん状配置などを例に取り,それら配置に対する評価指標として,最近接標本点間距離,標本点集合の全静電エネルギー,球面ドロネー分割・球面ボロノイ図の特徴量などを取り上げて,それらと,課題である代用電荷法の解法に現れる連立一次方程式の係数行列の固有値分布との関係について,統計的分析も含めて解析を行う。この成果を学内学会等で公表し,参加者との意見交換を経て,最終的なまとめを論文として投稿する。
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Causes of Carryover |
これまでの所属研究機関の変更や業務の変更,スケジュールの変更,予定していた国際会議や国内学会への不参加などの蓄積により,引き続き次年度使用が発生している。学会参加を増やせるようスケジュールを調整し,できる限り使用を進める。次年度が最終年度のため,さらに残額が発生した場合は,研究期間延長の申請を検討する。
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